Fashion, Interview, Shop Review

BUSINESS AS USUAL

 


“洋服以外のことにも関心持ってもらえる何かのきっかけがつくれる店でありたいですね”

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ファッションを発信し続ける街、原宿。ムラサキスポーツの隣にある竹下通り入り口をまっすぐ進み左手にあるファミリーマートを曲がると、ビルの二階に佇む「ビジネスアズユージュアル(BUSINESS AS USUAL)」がある。白を貴重とした内装にクリアで見やすいディスプレイ、落ち着いた音楽はどこか原宿らしくない店にも思える。

この店には一体どんなこだわりがあるのだろうか。今回実際にお話を伺うことができた。
———まず、店の名前である「ビジネスアズユージュアル(BUSINESS AS USUAL)」の由来はなんでしょうか。

和訳すると、「平常運転」、「通常運転」という意味があるのですが、オーナーの重光が若かったころ「人が社会にのまれ決まった事を繰り返す形が堕落的である。退廃的だ。」というイメージを持ちそこから持ってきたそうです。

 

———意外と、ネガティブなイメージですね?

そうかもしれないですね。まあ、中二病だったんでしょう(笑)こんなこと言うとマイナスな印象に聞こえるかもしれないけど、自分達はあまり方向性を変えず、ぶれずにやっていけるというプラスの意味でも解釈しています。

 

———全体的に見て、個人的な印象なのですがビッグシルエットやプレーン、スケートっぽい服が多いような気がしますが、そこに何かこだわりはありますか?

ないですね。服は全て重光がピックアップしています。でも、90年代のHIP-HOPカルチャーが僕たちは好きで、オーバーサイズのものとかB-BOYっぽく着るのではなくてまた新たに違った解釈で着てくれるのが楽しいかなと。そして、いろんな形が混ざってそういう形に寄っているのかもしれないですね。僕たちがいつも言っているのは、良い服なら何でもいい。その一つ一つの服をそれぞれのお客さんがどう解釈をするか。そういう部分に楽しさを見いだしています。

 

———実は以前、「zondag」の方で取材を行っていたんです。その時「プレーンな古着って今の人あまり着ないけれど、絶対服が好きな人ならこういった古着にもピクッと感じさせる自信がある」と、おっしゃっていました。ここ1,2年でそういったプレーンな古着を着た人が東京で見る機会が増えたと思うんですが、それについてはどうお考えですか?

僕らの全盛期である90年代は、世代的にも色んな文化が混ざって色々なことが経験できた時代だと思うんです。そういった人がいっぱいいて、いろんな人がそう思っていて、その中の一人が重光だったわけです。これが流行る!とか、本当はこれが正解だろって考える人達がブームを作ったんだと思います。その時の面白いノリとか、ある程度何かが流行ってくると退屈になって新しいスタイルのものが欲しくなったりとか。その部分がちょうどハマったんじゃないですかね。

 

———原宿という競争の激しいエリアにお店を出していると思うのですが、個人的に、ビジネスアズユージュアルの店員さんはあまり強く売らないというか、ゆっくり服を見せてくれるし服に関係ない話も結構長く話してくれたり、とても居心地がいいんです。それが原宿っぽくないというか…(笑)その点、何かこだわりはありますか?

基本的に自分がされて欲しく無いことはしない。それだけですね。(笑)単純に服を見て欲しいっていうのが根本にあります。原宿は最近若い子が多くて、若い子が店員さんについてっていう古着屋も増えていますね。僕はそのやり方もありだと思うけど、やっぱ洋服で選んで欲しいですね。ゆっくり選んでもらって、何か引っ掛かるものがあればすすめたりスタイリングを提案したりするだけです。その人がやりたい格好を出来ればいいかな、サポート出来ればいいなぐらいの感じです。みんな、「あのときノリで買っちゃったけど着なくなってしまったな」みたいな経験が絶対あると思うんです。(笑)そういうのはあんまりやりたくないし、それは僕たちの店がやるべきことでは無いのかなと。

 

———最後に、今後の展望を教えてください。

今後の展望ですか(笑)原宿に店を構える古着屋は、店員と仲良くなって服を買うみたいな嗜好があるような気がします。以前はみんな何かビビっているのか、どこか緊張感があって、もっと個性がある街だったような気がします。でも今は他の人と違う格好はできないというか…音楽や映画などのカルチャー面で影響を受ける機会が少ないのか、みんな似通った格好になってきている。なんというか街自体に若者が増えて、ファッションをはじめとする色々なことを教えてくれる上の世代の人が少なくなってきているから、面白みがなくなってきたのかもしれないですね。だからこそ、ここで限定するのであれば、カルチャー面をもっと重視していきたいです。例えば、この店オリジナルのアイテムをつくったり、若手クリエーターの絵の展示会店内で開催したり…洋服以外のことにも関心持ってもらえる何かのきっかけがつくれる店でありたいですね。

 

今回の取材を通して原宿のリアルクローズも見ることができた。服を好きになる、あるいは服に興味を持つまでの過程で音楽や映画をはじめとするカルチャーに影響を受けたり、ショップに出向いて色々なコーディネートに挑戦してみたりといった過程を通る人が少なくなってきたなと。だが、ビジネスアズユージュアルはその時代に合った「面白いノリ」を今までもそしてこれからもブレずにやっていくのであろう。是非、ビジネスアズユージュアルでその魅力に触れていただきたい。

 

BUSINESS AS USUAL

住所 〒150-0001
東京都渋谷区神宮前3-20-5
OPEN:12:00-20:00
tel :03-3479-4595
HP: http://business-au.blogspot.com
e-mail:bautokyo@gmail.com

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