Johan Ku Gold Label(ヨハン・クー・ゴールド・レーベル)は、10月16日(火)2021春夏コレクションを、ファッション・フィルムの形でRakten Fashion Week TOKYOで発表した。同フィルムはLondon Fashion Weekでも発表している。
今回のフィルム撮影は、デザイナーであるヨハン・クー自身がキャスティングから編集、監督まで務めている。台湾のテレビチームと共に作り上げた「The Painters(ザ・ペインターズ)」に今シーズンの思いを込めた。
映像はゆっくりと流れるピアノとバイオリンの変奏から始まる。アトリエのような薄暗い空間に浮かび上がる、まるで絵画のように鮮やかな色彩のモチーフの数々が目を引く。
新型コロナウイルスにより世界中が自粛していた期間、ヨハン・クーはオンラインアート活動に参加し、多くの優秀な台湾のクリエイターと出会ったという。台湾の新進アーティストたちとコラボレートしたテキスタイルやアクセサリーは、ブランドの持つファッションとアートの境界線を越えるようなダイナミックな表現を引き立たせている。
またヨハン・クーは台湾で活動するアーティスト、ポン・ボーシュンの作品のコレクターでもある。そうしたポン・ボーシュンの作品と、アートに関連するカッティングマット、ブラシ、ペイント缶、クレヨンなどの絵画作成ツールなどからインスピレーションを受け、同コレクションの各所に現代美術の雰囲気を落とし込んだ。
テーラードジャケットやシャツなどのシルエットはクラシックでありながら、色とりどりのアートをそのまま身に纏っているようなユニークな魅力を放つデザインに仕上がっている。画家から着想を得た大胆なタッチと、パターンの違いによって色味や柄の表現を多様に見せた。
デザイナー Johan Ku(ヨハン・クー)
17歳でグラフィックデザイナーとしてキャリアをスタートさせ、2005年にデザインスタジオを設立。2009年セントラルセントマーチンズMA在学時に”Emotional Sculpture”シリーズがニューヨークのジェン・アートアヴァンギャルド部門大賞を受賞。2010年、”Re-Sculpture”、”Emotional Sculpture”シリーズがアレキサンダー・マックイーン、ヴィヴィアン・ウエストウッド、ロダルテらに続き、イギリスのニット教材として採用される。現在はイギリスを拠点に活動し、ニューヨーク、LA、パリ、東京にてコレクションを発表している。
Text/ 守谷恵