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ロックンロールって叫ぼう、ボヘミアンに生きよう

 

ロックンロールって叫ぼう、ボヘミアンに生きよう

 

 

巷で最近話題の映画があると聞いた。

 

「ボヘミアンラプソディー」という映画だ。

 

あらすじを見る限りではあるが、70年代のロックシーンを盛り上げた伝説のロックバンド クイーン(queen)の伝記映画らしい。

確かに70年代は、ロック黄金期だった。

クイーンを始め、レッド・ツェッペリン(led zeppelin)、ディープパープル(deep purple)・イーグルス(the eagles)、かの有名なビートルズ(beatles)もみな70年代に活躍したロックバンドだ。

この映画の存在を知った時、私はふと二年前に観た映画を思い出した。

 

「あの頃ペニー・レインと」(原題 almost famous)

 

公開は、2000年。だが、映画の舞台となったのは、70年代、ロック黄金期を背景に描かれた映画だ。

 

(出典:boxofficemojo.com)

 

 ≪あらすじ≫

 

ロック=悪、不義 と決めつけ息子を弁護士に育てたい大学教授の母、そんな母に反抗して家を出たロックが大好きな姉、冷厳な母と暮らすセックスもドラックも知らない優等生のウィリアムは姉の残したロック音楽に魅了され、いつしか記事を書くようになる。そんなウィリアムが地元誌に書いた原稿がローリングストーン誌の目に留まり、フツーの15歳の生活から一転、ロックの世界に没頭していく。スティルウォーターというブレイク寸前のバンドに同行取材することになったウィリアムは、グルーピーのリーダー、ペニー・レインに出会う。それは切ない恋のはじまりだった…。

 

 

この映画、キラキラとした青春映画で色々と話したいことはあるのだが、今回ウィリアムの初恋の相手、女神(ミューズ)でもあるペニー・レインのファッションについてお話したいと思う。

 

70年代、ボヘミアンやヒッピーファッションが流行していたこともあり彼女の基本的なスタイルは、ウエスタンチックなファッションが多い。露出は必須で、へそ出しは勿論彼女の性格にぴったりな開放的なスタイルが特徴的だ。

 

(出典:pinterest.jp)

 

全体的にゆるい印象を受ける、ボヘミアンファッション。ところどころに散りばめられた刺繡が髪型と相まってアクセントになっている。(ウエスタンブーツの花の刺繡が可愛い!)

 

 

(出典:pixshark.com

 

ペニーレインが睡眠薬で自殺を図ろうとしているところをウィリアムが助けるシーン。同じウエスタンブーツを履いていても、チャイナドレスぽいデザインのサテン生地のミニワンピースが印象をガラッと変えている。(こりゃまたワンピースの刺繡が可愛い!)

 

(出典:pinterest.jp

 

 

一変して、Tシャツにデニムのショーパンというシンプルイズベストな恰好だが、私は等身大の彼女の姿が垣間見えて好きだ。(レゲエぽいTシャツ可愛い!)

 

 

70年代に流行したボヘミアンファッション。そもそもボヘミアンとは、ボヘミア地方(チェコスロバキア)に住むジプシーを指す言葉から、世の中の規範に囚われず、自由奔放に放浪する生活をおくる人を指す言葉でもある。ペザント(農婦)、フォークロア(民族的)、ロマンティック(詩的)なヨーロッパの民族衣装をイメージしたエキゾチックなデザインと自由気ままなスタイルを含んだのがボヘミアンファッションだ。

 

 

ロックとボヘミアン、一見何の繋がりもなさそうにみえるが通ずるところがあるのではないかと考える。

 

ロックって音も演奏してる人も聴いてる人も皆が自由だと思う。決して他の音楽が自由ではないということを言いたいのではなくて、他の音楽に比べて自己の主張が著しく激しいというか。ロックンロールって叫ぶたびにまるで自由だー!って宣言してるように私は見える。ロックってジャンルの囚われない音楽なのかなって思うし、結局はロックっていうジャンルに一括りされているけど、それ以上の何かが、人の生き様が、言葉の後付けでロックと名付けられたのではないかと思う。

 

 

クイーンの名曲「ボヘミアンラプソディー」の歌詞の中に

 

Because I’m easy come, easy go
A little high, little low
Anyway the wind blows, doesn’t really matter to me, to me

だって、俺はフラフラと適当に生きてるから

ちょっといい気分になったかと思えば ちょっとな鬱な気分になったり

どんな風が吹いたところで 俺にはどうでもいいことなんだ、俺には

 

という歌詞がある。

 

 

規範に囚われないで生きることの難しさは今の時代では底知れない。フラフラと適当に生きるのにも勇気がいることだ。だがこんな世の中だからこそ、ファッションも含め、枠に囚われず自由奔放に楽しんで生きるっていう選択肢もありだと思う。男も女も年齢も人種も関係なく皆がロックンロールって叫ぶことのできる世の中を私たちが作っていきたい、そう願うのみだ。

 

 

text / 小松未奈