白そして黒
RABDの2019SSのコレクションが発表された。
会場はランウェイの両横に観覧席があるシンプルな作り。だが、薄暗くひんやりとした空気感がこれから得体の知れない何かが始まることを予感させる。
ショーが始まると照明がストロボの様に強く連続的に光り、激しいノイズの様な音が会場中に響き渡る。視覚と聴覚が光と黒さで圧迫される感覚はホラー映画の様だ。そんな中をモデルたちは次々に歩いて来てはターンして行く。眼を凝らしてコレクションを観る者たちにモードなデザインと演出の強烈なインパクトを与えんばかりに。
今回Amazon Fashionweek に初出展のRABDであるが、実は私はこのパターンを見たことがある。
RABDのデザイナーはブランドEKAMのデザイナーでもあり、その独特なパターンとモノトーンの色遣いでモード界で名を博した三木勘也氏であったのだ。
関西から東京へと活動の場を変えたことによりブランドを一新させたかったと三木氏は語った。EKAMではレザーのジャケットが代表的であったが、PVCなど素材を変え低価格で提案する事のできるRABD。(コレクションで使われたレザーのアイテムは一部EKAMである)
白と黒を基調とし徹底したモードの世界感は柄やロゴなどが多いAmazon Fashionweekの中で一際、異彩を放った。
text/中村 宜嗣
photo/小松 未奈