Asian Fashion Meets TOKYO (Vietnam)
3月15日、渋谷ヒカリエホールAにて、ファッションブランド「NGUYEN CONG TRI」の2016 A/Wコレクションが発表された。
「Asian Fashion Meets TOKYO」は、経済産業省と日本ファッションウィーク推進機構が技術協力研修プログラムの一環として、東南アジア4カ国から選出されたファッションデザイナーを日本に招聘し、日本のテキスタイル、ショー、マーケティング等を学ぶ機会を提供するとともに発表している。今回のAsian Fashion Meets TOKYOでは、ベトナムのデザイナー、グェン・ツォン・トリ氏が選出された。
ショーの冒頭の映像演出では、スクリーンには東アジア系の人々が縫製をしている様子、中東の子供たちが服を凧の様になびかせながら遊んでいる様子などのような映像が流れ、アジア圏に住む人々の服との繋がりはとても身近であるというようなメッセージがこもっていた。
ショーでは、ビートの効いた迫力のあるフォーク調の音楽が流れる一方で、繊細で柔らかいタッチのルックが多く見られた。生地は、シルク、サテン、ベロア、スウェード等の自然に近い素材が多く使用されており、トレンドを追わずに作られたその衣服は純潔ともとれる。まるで、その土地の文化や自然が最大限に麗しく引き出されたような印象が残った。
日本に来て初めに、ヨウジヤマモトの靴下を買った等ショッピングを楽しんだとインタビュー中にお茶目な一面も見せてくれたグェン・ツォン・トリ氏。彼のデザイナーとしてのこれからに注目していきたい。そして、彼のような未来有望な次世代のデザイナーは、まだ幾多とアジア圏に埋まっているのかもしれない。これからのAsian Fashion Meets TOKYOの活動、アジア全体でのファッション、アパレル業界の活性化に今後さらに期待が高まる。
text/Yu Ezaki