ESMOD JAPON 2013年度 卒業生紹介 池谷 惠・池田 実央
『play a prank』
・エスモードを選ばれた理由(きっかけ)とエスモードで学ばれていて印象に残っていることを教えてください。
少人数でありながらその中で様々な経緯の人がいて、例えば他の服飾の学校を出ている人や美大を出ている人、また全くファッションとは違ったことをしてきた人がいたりと、そういった人達の中で学ぶことは自分にとってとても刺激的で楽しいだろうと思ったことがエスモードを選んだきっかけでした。また就職率の高さも決めての一つです。
エスモードで学んで印象に残っていることは、今回の卒業審査会をはじめ、外部の方々に自分たちの作品を見て頂いたり意見を頂ける機会があるということです。学生のうちから企業の方やクリエイターの方々にプレゼンをさせて頂いたり見て頂くことが出来るというのはとても貴重な機会で印象的でした。
・卒業制作にあたって特にこだわられた点はございますか?
実際に現代の女性が着てみたいと思う感覚を忘れないという点です。
ショーピースとしてだけ成立するような作品にしたいとは思っていなかったので、リアルに着れる身近なアイテムを取り入れ、且つ今までにはないデザインアプローチをしたいと思いました。自分の記憶や生い立ちから父や母が80年代後半〜90年代初頭に着ていたコートやジャケットをベースにデザインしました。
子供が絵に描いたような極端に丸い袖のシルエットや、服に着られてしまっているようなバランスがポイントです。シューズも母が授業参観に履いてくるようなフェラガモのパンプスや、当時流行していたシャネルのクラッチなどをベースにデザインしています。クラッシックなアイテムと、ポップな要素、エレガントなディテールなど様々な要素を組み合わせつつバランスを取っています。
服だけでなくトータルで世界観を提案していくことに重点を置きました。
(左)池谷さん (右)池田さん
・ブランドのコンセプトについてお聞かせ下さい。
コンセプトは『play a prank』です。
『子供が親のクローゼットに忍び込んでイタズラに洋服を着てしまう』という意味と『大人が着飾る』という意味合いを込めました。自分は幼稚園生だった頃服装への憧れが芽生えました。今、ファッションを学ぶうちに服を着るということは憧れだけでなかなか成立せず、様々な事柄が織り混ざっていることを再確認しました。今回のコレクションでは見てくれる人はもちろん、私たち自身も背伸びをせず、むしろイタズラに着飾ることを楽しむことができるコレクションにしたいと思い製作に取り組みました。
・当日、審査員の方々に言われた事で印象に残っていること、得られた新しい視点などございましたら教えてください。
自分の幼少期の写真をテキスタイルとして多数使用しているため、とてもパーソナルな印象が強く、初めて見る人は少し構えてしまう場合がある。着たい!と思わせるにはパーソナルな中にもこの世界観に入り込ませる隙を作るとより共感を得られると思うという意見が印象的でした。新しい提案をしつつ、全ての人でなくとも誰かの共感を得るというのは重要なことでありとても難しいことだと思います。これから私達がファッション業界で仕事をしていく中でこれは重要なことであり、意識しなければならないことだと思いました。
デザイン 池谷 惠
パターン 池田 実央
あわせてこちらもご覧ください。
ESMOD JAPON 卒業コレクション 2013 全ルック