Fashion, Collection, Tokyo 2019-20 A/W

SIIILON 19A/W Collection

毒を含んだドリーミーな少女

3月23日、polygon表参道にてSIIILONの2019年秋冬コレクションが発表された。
ブランド誕生から5周年という節目で初のランウェイショーとなったSIIILON。
ファッションECサイト「SEENOWTOKYO」がファッションウィーク期間中に注目若手ブランドとのランウェイを開催した中の1ブランドだ。
注目ブランドとあり、すでにファンが多く、会場にはSIIILONの洋服を纏うたくさんの女性が集まっていた。

キーワードは「CHAIN」。
これまで自身の家庭環境や育った環境が暗く、鎖でがんじがらめにされていたような時代が強く記憶にあり、その時期を振り返るコレクションとなった。
これまでの洋服のクオリティは意識しつつ、潜在的な要素をヘアメイクで表現し可愛さの中にダークさを落とし込んだ。

花のついたカチューシャやハートのステッキを持ち、可愛らしいフューシャピンクで包まれた少女。しかし顔は白く、どこか影を感じる。
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肌の露出やファーコート、網タイツなどが印象的だったルックは刺激的で毒っぽさがある。
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クラシカルな印象の大振りなレースを使用したブラウスはSIIILONならではといったヴィンテージな雰囲気が漂う。
ストッキングと合わせ、ストレンジな印象。
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音楽にも工夫が加えられた。
服飾の道を行く前、ピアノの専門学校に通いクラッシックを学んでいたOyui。
ランウェイではクラッシックと、メッセージ性の強い90年代のバンド曲が織り交ぜられていた。
当時厳しい環境で音楽を学んでいた記憶も強く残っていたようだ。
しかし現在のクリエイションの面では糧になり、切り離せない要素だそう。

SEENOWTOKYOの枠でショーを行ない、会場では受注会も行われた。
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女の子たちの心をぐっと掴むエッジのきいたガーリーさで支持されるSIIILON。
そんな同ブランドの隠れていたバックグラウンドを知ることができた今回のランウェイショー。
これまでSIIILONが作り上げてきた独自の可愛さに、今まで見えなかったダークな一面がスパイスとなった。
そして過去の厳しい環境をパワーに制作された今回のコレクションは、可愛さで魅了しつつも日々それぞれの現実世界で戦う女の子達にパワーをも与えてくれた。
これからのファッション界での活躍にますます目の離せないブランドだ。
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Text/櫻田美羽
Photo/ official・櫻田美羽