ANEI(アーネイ)の2019-2020秋冬コレクションが3月23日に行われた。
今回、初のランウェイだったこともあり、タイトルは「ファースト」であった。
デザイナーの羽石氏は「緊張感のある中、キャスティングやショーの構成、BGMの作成など全てが初の試みであり、実際に作ってくれる人とアイデアを共有して良いものが作れた。」と初の囲み取材で緊張しながらも口を開く。
開演前の会場では波の音が心地よく包み込むのと同時にANEIの初のランウェイを波及させる予兆をあらわしているかのようだった。
羽石氏はYohji Yamamoto homme の企画、パタンナーを経て、現在ANEIのデザイナーとなった。
ゆったりしたシルエットや長めの丈感、カッティングを強調するため無地にこだわり、羽石氏が初めて行った海外であるニューヨークの色を思い返し、トーンで奥行きを表した。
また縫製は日本の工場を主とし、「日本のファッションを子供の代、またその子供の代へと繋げていきたい。」と優しい声で語った。
絶えず変化する社会やトレンドの中で変わらない何かを持ち続けるのは簡単ではない。
日本のファッションがこれから変わり続けたとして羽石氏の掲げる意志が2世代後でも優しく、長く波のように伝わって欲しいと感じた。
text/中村 宜嗣
photo/荘 あかり