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Keio Fashion Creator −日常の再考−

 

12月23日、渋谷のspace EDGEにてKeio Fashion Creator によるファッションショー、−日常の再考− が行われた。

ショーでは、幻想的でゆったりとした音楽が流れていた。ファーストルックは布団を身にまとったスタイルだった。まさに日常の始まりを告げているようだった。毎朝ベッドから起き、そこから始まる全ての生活習慣に着想を得たデザインが中心であった。LEDライトを取り入れて表現したSNS、スーパーマーケットの広告、ビニール素材などといった、日常生活の中で私たちが慣れ親しんでいるものに焦点が当てられていた。

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ショーの最中、ランウェイの奥に設置されたプロジェクターには、真っ白な食卓が映し出されていた。リアルタイムで衣装をまとったモデルたちがそこを行き来しており、日常から派生している今回のコレクションの世界観を徹底的に作り上げていた。

また、私たちは今回特別に、ショーのバックステージを取材することにも成功した。是非、普段見られないリラックスした姿をご覧いただきたい。写真 2018-12-24 3 47 55写真 2018-12-24 4 19 54写真 2018-12-24 4 18 24

平凡な毎日を普通に生きてしまっている私たちの人生は、気づかぬうちにつまらないものになってしまっている。だが、誰しも、平凡な毎日の中に、例えば雨の日だったり、友達とうまくいかなかった日だったり、だれかに褒められて嬉しかった日があるだろう。全く同じ一日を過ごすことなんてきっとない。今回のルックが主に白を基調にしていたのは、私たちそれぞれが、日常を「再考」し、その日常に感じた彩りを、今回見たものに重ね合わせてほしい、というメッセージではないか、と私は感じた。あるいは、全て真っ白な状態から、世界を見るべきなのではないだろうか。改めて見た時にはきっと今までとは180度変わっている。

いつも通る道や、普段使う自転車、家の食器….
自分が密接に関わっていて、そんな気にも留めないものに想いを馳せてみようかな。
常識を取っ払って1から、いやゼロから。

ショーを見終わった私はそんな気持ちになった。

text / 眞渕来夢

photo / 中村宜嗣