Fashion, Collection, Tokyo 2019 S/S

TAE ASHIDA 2019S/S Collection

 

アートな空間の中で移り変わっていく世界に魅せられる

 

2018年10月16日、TAE ASHIDAの2019年春夏コレクションが、六本木の国立新美術館にて発表された。

 

ショーは、二階展示場前の長い廊下にて全長90メートルのランウェイで行われた。まず、入り口を通ると二階へ続くエスカレーターへと案内された。薄暗い一階と、光に照らし出された二階のランウェイとのコントラストが私たちをゾクゾクさせる。
ショーが始まり、モデルが三階から二階へと続くエスカレーターを使って入退場するという予想外の演出に、会場の熱は一気に上がった。

 

 

ショーはスポーティーなルックから幕を明けた。モデルたちはReebokのスニーカーを履いて軽快に歩いていた。

 

写真 2018-10-17 1 37 11

 

 

ライオンやサル、オウムなど様々な動物たちがプリントされた楽しいルック。

 

BzO8up3Q

 

 

熱帯雨林で出会えそうなエキゾチックなルック。

 

q7hpRQxw

 

 

存在感の強さでショー全体を引き締めた水のドレス。つやつやと波打つようなドレスは、会場の眩しい光に反射されて一層輝きを増していた。今回起用された日本人モデルは5人。中でも冨永愛は三年ぶりのランウェイ復帰だったが、そのブランクを全く感じさせないほどの堂々としたランウェイであった。

 

TCyWJ_4w

 

 

ラストルックはこちらのドレス。LEDが内臓されて光り、より一層の注目を浴びていた。まるで銀河系のプリンセスが着ていそうな印象を受けた。

 

zNOT-BzQ

 

 

今回のショーには、冨永愛の他、小椚ちはる、新井貴子の海外コレクション常連組のモデルから、これから世界をフィールドに一層の活躍が期待される若手モデルの福祉リナ、江原美希ら日本人モデルたちが、海外から帰国し集結した。

 

写真 2018-10-17 1 39 33

 

 

TAE ASHIDAは2013S/Sからスタートしたブランドである。デザイナーは、皇后陛下の皇太子妃時代に専任デザイナーをしていた芦田淳の娘、芦田多恵だ。大人の女性をターゲットとしているが、最近は、若手女優の衣装も手がけている。展開は、Jun Ashida同様にデイリーウェアからイブニングドレスまで幅広い。

 

今回のコレクションの四日後に芦田淳氏は息を引き取った。しかし、これからも父の”ものづくり”や”美”への姿勢は娘に受け継がれ、芦田淳氏の生きた証として輝き続けるだろう。

 

text/越智柚月

photo/中村宜嗣