MOTO GUO の2018年春夏コレクションが10月17日、表参道ヒルズにて発表された。
マレーシア出身・在住のモト ゴーとキンダー エングによって手がけられるブランドだが、東京で発表するのは今回で2回目となった。
今シーズンのテーマは、“TO KINDER”。モト ゴーがパートナーの“キンダー”へと向けたコレクションであると同時に、幼少期の記憶や思い出の表現が今回のテーマに掲げられている。“kinder”とはドイツ語で子どもを意味するので、彼の名前と掛けられているようだ。
まず、今回のショーで印象強く感じられたのは、ショーの始めと終わりで子どもが成長していく様子。子どもの感情や表情も折り混ぜながら描かれており、例えば、ショー前半では、幼児が履くブルマの姿や腰に付けられた枕型のポシェット、よだれかけ風のトップス、子どもの無邪気さを表現したかのような舌を出したようなアクセサリーや、おしゃぶりを咥えている様子がみられた。
また、フリルや丸みを帯びたデザインが目立ったが、後半になるにつれジャケットスーツや、ネクタイを用いたスタイリングに変わっていき「大人への成長」を表していることがわかった。
ファッションは、子どものように遊び心をもって自由に表現してこそ楽しく、より輝きを増すものではないか、と思う。現代の日本のファッションには、そんな自由度が欠如していると感じる。
例えば、髪型から服装まで同じような見た目をした、いわゆる量産系女子と呼ばれる大学生が大量発生しているのは、一人だけ浮くことを避けなるべく周りと歩調を合わせようとする日本人独特の習性が要因だとも言えよう。また対極的に、ファッションにより他の人とは一線を画した自分の個性を表出しようとする者は、周りから奇異の目で見られたり、理解されないことが多い。
それらに対して言えることは、“ファッションには正解も不正解もない“ということ。
本コレクションからみえた自由さのように、もっと素直に表現を楽しむことで、本来持つファッションの魅力が見えてくるのではないだろうか。
Text/中島 福美子
Photo/福島 あかり