10代の記憶を服に。
10月18日にDISCOVERED 18S/S Collectionが発表された。今回のテーマは”nu-gazer(ニューゲイザー)”。ニューゲイザーとは、オルタナティブ・ロックとして括られる、80~90年代に流行したシューゲイザーに影響を受け、作られた造語である。
デザイナーの木村多津也氏が10代の頃に影響を受けたシューゲイザーや裏原、古着、DCブランドが混在していた90sのファッション、10代の”青かった感じ”にインスピレーションを受けたという18S/S。
カラフルな配色やチェック柄、後半に登場するファイヤーモチーフに、若者が持つ”青さ”や”力強さ”が感じられる。
また、スエード素材やフリンジ、切りっぱなしのデニムが用いられるなど、当時流行していたというウエスタンな雰囲気も垣間見えた。
あえて綺麗なシャツ生地にファイヤー刺繍をしたり、スーツ地のトレンチコートにデニムダメージ加工を施したりと「カジュアル×綺麗」という相反するテイストを見事に融合させ、「Opposition mix up」のコンセプトをかかげているDISCOVEREDらしさが全面に出ているコレクションとなった。
10代という、人生において非常に重要で多感な時期の記憶をストリートスタイルに落とし込んだ今季のコレクション。
若い時に受ける印象や、若い時にした経験は強烈で、それは時が経っても自分の中に残るものなのだと感じた。
私自身も学生として、若い感性を研ぎ澄まして、様々なことに興味を持ち
今この時間を大切に過ごしていきたい、そう思わせてくれたコレクションであった。
Text / Kaede Sato
Photo / 田近 咲菜(@is__sleeping)