Fashion, Interview

シューズペインターDaiki Abeさん INTERVIEW

インスタグラムで発見した、一際個性が目立つシューズペインター。無地のスリッポンをキャンパスに、独特なタッチで数多くの作品を生み出している。
普段の彼は看護師をしながら3人のお子さんと奥様の5人で暮らしているごく普通のお父さん。
そんな彼に会いに、彼の住む静岡県牧之原市まで行った。


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ースリッポンにペイントを始めたきっかけはなんですか?
もともと靴が大好きで、人と被らないように靴紐を替えたりしていたのですが、結局靴自体は同じなので何か物足りなさを感じていました。
人の靴は普段からよく見ていて、そんな時に人が履いているスリッポンを見て、もの寂しさを覚えました。
昔はそこまで柄もののスリッポンが少なかったのもあり、その時初めて自分でデザインを描いてみようと思ったのがきっかけです。
依頼を受けるようになったきっかけも同じ頃の3年前ですが、横浜の本牧にある知人のバーの看板のデザインを依頼を受けたことでした。その時にサーフボードにペイントしたことが今にもつながっています。
最初のうちは自己満足で作品を制作していましたが、徐々にインスタでも反響が出始め、問い合わせが来るようになったのでそれをきっかけに依頼を受けて絵を描くようになりました。

ー独特な絵は何から影響を受けているのですか?
「これ」と言ったものは特にありませんが、「遊び心」を大切にしています。所ジョージさんみたいになりたいです。もともと絵は独学で、描きたいもの、好きなものを描きたいときに描いています。完全オリジナルのものもありますが、基本的に「依頼してくれる人が履きたいものを作りたい」というのがあるので、依頼者のリクエストには全部応えています。
ただ、「海」の影響は大きいですね。休みの日は家の近くの海に家族で行ってサーフィンをしているのですが、海にいる時は気分が最高なので絵もよく描けます。やりたいことをやっている時でないと絵も描けないし、僕にとって気分の乗っている時というのが海にいる時だったりします。だから僕にとって海は大切な存在なんです。



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ー家族愛がすごく見受けられますね
自分の靴には必ず家族全員のイニシャルを入れています。家族全員で歩んでいこうという意味を込めてですね。靴だけに。そうすれば家族も靴も大事にしていけるので。

ー今は本職とは別で副業という形でやっているのですか?
副業というと仕事になってしまうので何か変な責任感や焦り、金稼ぎというのが頭に浮かんでしまって、好きにやれないというか作品自体の幅も狭まってしまうので、あくまで趣味の範囲でやっています。だけど、依頼されたものは確実にお受けしますし、多い時で月に30個の注文が入っても必ず全て完成させてお届けしています。

ーこだわりはなんでしょう
僕はまず第一に依頼してくださる方々を最優先にして、彼らを笑顔にすることがしたいので、プリントではなく一つ一つ手描きにこだわるし、一つとして同じ作品は作らず、模倣したものではない、完全オリジナルを目指しています。「できません」というのは極力無しにして、全て引き受けるようにしています。
(個性という点では)お金をかければいいものを買えるというわけでもない時代だから、洋服のリメイクのように、僕は何と言っても靴が好きなので表現の仕方が違えども靴を通じて個性を出して一人一人、一点一点が違う一点物を作り上げています。

ースリッポン以外ではどんなものにペイントしているのですか?
子供用の上靴、もちろん子供用のスリッポンもデザインしています。親子でペアルックで履きたいという方も多くて、僕自身が三人の子供がいるのもありそんなにお金をかけれないというのを理解した上で、安くても個性のあるものを作ってあげたいなと思っています。あとは、お客さんが今履いている古い靴にもペイントしたりしています。だからスリッポン以外にもスニーカーやティンバーランドにもペイントすることもあります。あとは僕自身がサーフィンをしていたこともあり、サーフボードにペイントすることもありますし、トートバッグなんかにもペイントすることもあります。基本的に「これに描いてください」というのがあれば何でも描きますよ。

ーペイントしてもらうためのシステムを教えてください
もちろんサイズ感がわからない人は各自で靴を買っていただいてもいいのですが、基本的にサイズと色(黒、ネイビー、白)を指定していただけたらこちらでシューズは用意してペイントして発送します。無地の生地であれば何でも描きますし、染めることも可能です。

ー今後の目標などあれば教えてください
デザインの精度をもっともっと上げていきたいです。みんなを笑顔にするために。
ペイントで稼いでいこうとは全く思っていないので、デザインは一律2000円から一切値上げしたりしませんし、そもそも僕にはまだまだそんな技量がないと思っているので(笑)
あとは静岡以外からの依頼も多くて、上は青森下は沖縄の方々が僕のインスタを見て依頼してくださっているので、箱を開けた時のサプライズ感を大切にしているし、僕がペイントしたその靴を皆さんに履きつぶしてもらいたいですね。一点ものというと夢があるし、どこか勿体無い気がして飾ってしまう方もいるのですが、普段から履いていただいて、その方の個性を光らせる存在になりたいです。まあ一番は、僕自身が足元が光っていればハッピーな気分になれるので、依頼してくださる方々もハッピーにしてあげたいということです。

靴好きから生まれたスリッポンペイント。好きなものに好きな絵を、好きな時に描く。
縛られるものがないからこそ、生み出すことのできる世界にたった一つのシューズ。それは履く人々に夢や期待を与える。
そんな彼の願うことはただ一つ。「HAPPYと SMILEを届けたい」

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