Fashion, Interview, Shop Review

en the beginning

否定をなくし、可能性を拡げたい。


4月9日、リクオリティの元スタッフ廣原隼人と服部恭平による古着屋「en the beginning」が原宿にて新たにオープンした。店内には、花や、CD、机にソファーと落ち着ける空間。店長である廣原氏が自分の好きなものを全て置いたという。

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ーーーリクオリティ時代がセレクトショップであったと思うのですが、今回独立という形で古着屋として創設したきっかけは何かありますか?

僕がリクオリティで働いていたときに、お客さんでブランド古着が好きな人もいれば、タグ付きの新品が好きなお客さんもいて。やっぱり、その中で古着が好きな人も見に来てくれてて。もちろんずっと古着が好きだったっていう部分も影響してはいるんですけど、ブランド物の良い所、コレクション物、昔ながらの服の良さってそれぞれあるんですよね。それを、全部惜しみなく表現しようって思った事から今回古着屋という形になりました。

ーーー僕が、店内のディスプレイを見た感じで、結構ちらほらデザイナーズブランドの服が目立つと思ったのですが、古着屋という立場で、どうお客さんに伝えていこうと考えていますか?

今回、古着屋とかブランド物のUSEDとかっていうのを正直あまり考えてないんですよね(笑) 今回、古着屋を開くにあたってのこの店のコンセプトが「招く」なんですよね。皆さん今住んでいるところや仕事場とかの居場所があると思うんですけど、自分の家と別に、もう一個アパレル業界に僕が家を作りたかったんですよね。それがあれば、自分で買い付けて服や自分で作った洋服っていう自分の自由の効く場所っていうのがどうしても欲しくて。その中で、確実性のあるブランド古着とレギュラーやオールドの古着かなって思いました。

ーーーディスプレイに飾ってある商品を手に取って触っていった感じ、Tシャツの生地などで着心地の良さという所にすごく拘りを感じました。買い付けをする際の何か拘りなどあれば教えてください。

昔の古着とか、Tシャツとかっていうのもいろんなメーカーのものがあって。昔のTシャツで見られる首の詰まったシャツというのが僕個人として結構好きで。自分のビビってくるものと、あと古着で着心地を気にされる方も多いと思うので、そこは状態のいいものを準備しています。

ーーー今回、独立された廣原さんだと思うのですが、一人でやらずとして服部さんをスタッフとして誘った理由というのは何でしょう?

僕がこうやって古着屋をやりたいっていうのはただの僕個人のエゴとか欲求でしかないというか。この古着屋をやるにあたってwebとかSNSでの宣伝も必要となってくるときに、誰だという風に考えて一番近くにいてリーチ力のある人間が服部君でした。その時に、服部君に一緒にこの仕事をやらないかって誘ったんです。そしたら、逆に服部君の方からやってみたいというか、やりたい!ってそのぐらいの意気込みできてくれて。僕が投げたボールをキャッチャーがバッターボックスを飛び超えてキャッチしに来てくれた感覚みたいな、そんな感じでしたね(笑) だから、もう僕はこの人と一緒にずっとやっていこうって思いました。

ーーー最後に、日本のファッションって色んなジャンルのファッションがあると思うのですが、その中で自分の成し遂げたいこととか野望みたいなのって何かありますか?

うーん、なんていうんですかね(笑) 「否定をなくしたい」ですかね。まぁ、何が最強にお洒落なのかって言うのは僕もちょっと分からないんですけど。お洒落じゃねぇなこいつって思う所の根源はやっぱり否定する部分にあって。例えば、ストリートブランドってダサいよねとか、黒でドレープとかのデザイン性が効いている服をモードって言葉でひとくくりにしてダサいって否定している人とか。僕からしたらそういうのが凄くダサいなって思うんですよ。例えば、supuremeみたいなネームブランドの先行したブランドとかも、そのsupremeっていう言葉とか、それで繋がるコミュニティとかも素敵だし、その形だったり生地感を追い求めているような職人気質なブランドも素敵だったりするし。僕たちには、表現の自由だったり選択の自由があって、何でもありでなんでもオッケーな事があたかもダメみたいに言う人は凄くファッションに対して小さくてダサいなって思うんですよね。それをもっとなくしていければなと思っております。

本日はどうもありがとうございました!

日本の中で様々なファッションのコンテンツが存在するのと同様に、人それぞれの価値観であったり理念も様々である。最近、ノームコアなどの流行で批判テイストのファッションコラムも良く見かけるようになったが、今のカルチャーの良さ、昔のカルチャーの良さというものが共存してはダメなのだろうか。色々なファッションコンテンツが存在する中、単なる食わず嫌いや理解不足で無限にある可能性を潰すことは勿体ないことではないだろうか。自分にとって新しいものを見たり、着たり、触れたりすることで、自分の中に埋まっている新しい感動や素晴らしいものが見えてくるのではないだろうか。そういった洋服との出会いがこの店であるかもしれない。



text/Yu Ezaki



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