こんなに楽しいショーがあっただろうか!
2016年3月16日、デザイナー山縣良和氏の手掛けるwrittenafterwards(リトゥンアフターワーズ)が表参道ヒルズにて2016年秋冬コレクションを発表した。
今シーズンは、鳥取ふるさと大使をつとめるデザイナー山縣氏の故郷である鳥取へのオマージュが込められている。昨年亡くなった鳥取県出身の漫画家、水木しげるへの追悼の意も込められた。「gege/妖怪」をインスピレーションとし、鳥取県の伝統工芸品である因習和紙や、鳥取砂丘の砂などを使用し作られた衣装を身にまった個性豊かなモデルたちが、色々な妖怪へと扮した。鬼太郎を思わせる黒と黄色のボーダーや下駄、鼠小僧のような首の詰まった薄黄色いフード、扮する妖怪によって歩き方、パフォーマンスも様々である。それぞれのキャラクターの世界観・ストーリーが共存しあうショーであった。また、今回モデルとして目立ったのは、出演作品が次々と公開され今勢いに乗っている女優、小松菜奈。ざらついたベージュのワンピースと人相の悪い目つきは、私たちに砂かけ婆を連想させていた。
山縣氏は昨年から海外でも展示会を行っている。「ゆくゆくはパリで勝負したい、今は準備期間である。」と、海外進出について意欲的な姿勢を見せた。海外でもぜひキャッチーな発表を行ってもらいたい。
text/Akane Sato
photo/Maco Seto