DISCOVERED 2016-17 A/W COLLECTION
3月15 日、木村多津也と吉田早苗の手掛けるDISCOVERED(ディスカバード)が、表参道ヒルズのスペース オーにて秋冬コレクションを発表した。型にはまらないという意味の「OFF BEAT」をテーマに、「badass」という前回のやんちゃな青年が一攫千金を狙うようなイメージのテーマから、少し大人びた雰囲気へと進化させた。
また、ショー中の音楽は、始めに「truth」という曲を用い、主人公は真実を知り旅に出る。次の「broken heart」では、大人になるに過程で様々な挫折を経験。最後に流れる「Love」で、人のことを想うことが一番大切だと気付く。まるで誰かの人生を見ているようなストーリー性の高いものであった。
木村氏はインタビュー中に何度も、個々の想い、人を想うことが大切だと語った。その事を口では上手く表現できなくとも、洋服を通して少しでも感じてもらいたいという彼の情熱はコレクションからも伝わる。ウールなどの素材を用い、日本の職人が縮絨比率を確認しながら一点一点こだわった洋服は、前回のシャープさを感じさせるコレクションとはうって変わって、優しく温かみを感じさせる印象であった。これも人を想って作っているからであろう。個々の思い、人を想うこと、デザイナーの熱い思いが詰まった今回のコレクションは、洋服を通してどこか完成しきっていないが人間の温かみ、優しさを感じる不思議なものであった。
3月19日には今回のコレクション「OFF BEAT」のインスタレーションがミッドウエスト東京にて行われる。彼らの熱き想い、人間味を間近で確かめてみてはどうだろうか。