「世界中でどこも真似できないスタイルって伝えてください、自信あるんで。」
‘未知なる感動’をテーマにかかげた今回のコレクションは宇宙的で近未来を感じさせるルックから始まった。デザイナー由利氏の「次の世代は何をするんだろうって思った時に両手が空いた戦闘服みたいなコスチュームになってくのかなって」という言葉にふさわしく、ハイテクなマテリアルを全て使ったスタイルで観客を沸かせた。
それでいて伝統工芸の素材を用いるなど近未来から日本の伝統まで時代を超えて自由に操られたスタイルはkeiichirosense(ケイイチロウセンス)らしくバッグから着想されたという。鞄という機能性もしっかり重視されており、ベルトで動きやすさを追求するなどの配慮も怠ってはいない。
ショー終了後は囲み取材もそこそこに、自らデザインした衣装を身に纏った由利氏の人望と明るいキャラクターを伺わせる写真撮影会が1時間以上行われた。誰とでも分け隔てなく接し、トークで人々を楽しませるその姿は由利氏のカリスマ性を感じさせていた。
『退屈じゃないファッションショーってなんだろう?って自分で模索した結果こうなりました。』
前衛的で画期的で、観客だけでなく自分自身も楽しんで創り出された今回のステージはまさに‘未知の感動’だった。デザイナー本人が最強のチームを創り出せたというkeiichirosenseの次回も楽しみだ。
text/Fumi Suwa
keiichirosense