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気鋭のジュエリーデザイナーSHINJI NAKABAにインタビュー。






身体に着ける事のできる彫刻(Wearable Sculpture)という考えのもとジュエリーを制作。宝石や貝に躍動感あふれる彫刻をほどこしたカメオと、アルミや鉄、エポキシ樹脂などを素材にしたファッション性の高いジュエリーのふたつを柱とする。カナダのモントリオール美術館などに作品が所蔵されているほか、ニューヨークコレクションでランウェイを飾るなど、ファッション界とのコラボレーションも多く、今注目を集めている。

■「ジュエリーには制限がない」


1992年。相模原のマンションの一階を借りてオリジナル商品の販売を始める。室内のペンキ塗りから展示用のショーケースも含めて全て一人で、約5ヶ月間を費やして成し遂げた。ジュエリー単体だけではなくそれらが展示される空間の雰囲気も含めてこそクリエーションであるという思いからだ。そんな店内にはセレクトされたアンティーク商品、オリジナル商品が半分ずつという構成だったらしい。


「結果的には98年に閉めたんですけど、それは成功とか失敗とかそんな単純なものではなくて、あのときの経験があるからこそ次に進めたと思っています。」


1997 年、バブル経済崩壊後の日本の景気についてはいうまでもない。店舗を維持することよりもジュエリー作りに専念しようと決意したSHINJI NAKABA氏は、プランタン銀座のアンティークバザールに年4回出店することで継続的に販売していくことを考えた。すぐさま担当者に連絡をしたところ、アンティークバザールですからという理由で断れることを覚悟していたが運良く自分の作品を見てくれることになったという。そしてなんとか出展許可を獲得し、少量ながらも自分の作品を並べてバザールに挑んだところ、アンティーク商品を解体して制作したカメオのブローチやチョーカーを購入してくれるお客さんがいたのである。その後約8年間出展し続けることになるが、そこで出会ったお客さんは今でも重要な顧客らしい。通常ならば創作ジュエリーというと発表の場は個展というのがほとんどである。しかし、プランタンのアンティークバザールという場所を選んだおかげで、それこそアンティーク商品が好きな人からたまたまプランタンにふらりと入ってきたお客さん、様々な年齢層の人、異なる背景を持つ人との触れ合いが生まれたことが何よりも嬉しかったそうだ。ちなみに現在は年に2回開かれる個展が主な発表の場である。


日本国内だと取り扱いは東京都内のセレクトショップ、ミキリハッシンのみである。人のお店では売りたくないという強いこだわりをみせるSHINJI NAKABA氏がなぜ唯一ミキリハッシンを選んだのであろうか。それは2006年の展示会にてミキリハッシンの山口壮太さんが自分の作品を買ってくれたことに驚きを隠せなかったからだという。今までを考えると非常に珍しく、日本の男の子が数万円もするアルミ缶で作ったブローチを自分で身につけるために買ってくれるなどということはなかったそうだ。


「僕の作品を分かってもらうには説明が必要なんです。自分の個展であれば僕や家内がきちんと説明できる。だけど、お店の人が僕らにかわって説明するのは難しい。でもミキリハッシンのスタッフは皆僕の作品を好きでいてくれるし、ちゃんと説明もしてくれる。本来なら一品制作の現代ジュエリーですからミキリハッシ ンの様なアパレルがメインのお店に置いてある事はあまりないですよね。でもあそこは若い人から大人まで楽しめるユニークな商品をセレクトしているし、そういう意味でとても面白い。」


イヤーフランに代表される針金はガスバーナーで炙ることで黒みを持たせ、ハンマーで叩いて四角い線にすることで彫刻的な曲線に仕上がっている。針金というジュエリーとは無縁にも思える材料を加工することで生まれる作品は、SHINJI NAKABA氏らしい独特の手法によって生み出されている。そして、生け花シリーズやイヤーフランは直接体に装着するだけではなく、使いようによってはブローチにもなるし、生の花をさすことで自分なりの生け花を楽しむこともできる。様々な使い道を発見できる楽しさが彼の作品には込められている。どんな人間の肌色にも合うような言葉にはできないような色合いは着ける人を決して選ばない。




SHINJI NAKABA’s WORKS




SHINJI NAKABA

身体に着ける事のできる彫刻(Wearable Sculpture)という考えのもとジュエリーを制作。宝石や貝に躍動感あふれる彫刻をほどこしたカメオと、アルミや鉄、エポキシ樹脂などを素材にしたファッション性の高いジュエリーのふたつを柱とする。カナダのモントリオール美術館などに作品が所蔵されているほか、ニューヨークコレクションでランウェイを飾るなど、ファッション界とのコラボレーションも多く、今注目を集めている。
Web : http://www.s-nakaba.com/


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