Fashion, Collection, Tokyo 2016-17 A/W

junhashimoto 2016-17 A/W collection

東京でのショーをやる意味ってなんやねん?と思ったんです。

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今回、恵比寿のカタで行われたインスタレーション形式の発表では服のピース毎の展示と映像という形で行われた。「Hide&Elegance」(隠されたものと優美さ)の名の通り、MA-1の良さをMA-1というアイテムで表現する露骨なものではなく、カーキのコートの下にオレンジののアイテムを差し込んだりと色での表現を実現。

映像内では地下工場のような壮大な場所に一人の男がたたずむ映像が重厚な音とともに映し出されていく。落ち着いた色合いで男臭さが取りばめられたアイテムだが、レイヤードの色使いなど秀逸な見せ方によって「Elegance」を感じ取ることができる。クールとエレンガンスの相乗を魅せる奥深い作品に仕上がっている。

また、今回注目したいのはデザイナーの橋本淳氏の言葉である。

「個人的にこういう見せ方があまり好きではなかった。」

その理由は彼のバックグラウンドにある。彼は地元の徳島にてレクレール日本一号店のバイヤーを勤めていた。その観察眼ゆえ、ショーを見ていても「待って待って!もっと見たいのに!」となることが多々あったという。彼は個々のアイテムをしっかり魅せて評価してもらうことに重きを置いていたのだ。

「正直、東京のファッションウィークでは売上をつくることが目的ではないと考えているんです。助成金がもらえなくて困っていると言う人などがいましたが、面白いこと言うな、と。」

東京のファッションウィークで一発目の発表からショーをやるブランドなどがある中、そこに疑問を抱いていたという橋本氏。橋本氏は東京ファッションウィークは「イメージ」をつくることが目的だと感じている。助成されてまで金を捻出して行うショーについて彼はその意味を真剣に考えていた。
「最初に売上を作ってから、そのお金でショーをやってさらに相乗効果を目指すっていうのが理想だと思うんです。売上ありきで、ショーではイメージを作るというのが良いと思うんですよ。じゃないとそこまでお金をかけてショーをやる必要がないと思っているんです。で、そろそろウチもイメージが必要だなと。」

ショーをやる意義に正解・不正解はないが、かなり難しいところだと語った。ビジネスのシーンにおいて鋭い見方を持つ彼の今後に目が離せない。

text/Kaito Fujita



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