Fashion, Shop Review

KATACHI


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“頑張る”ファッションから“楽しむ”ファッションへ。


都心に近いことを忘れてしまうほどゆったりとした時間の流れる街、祐天寺。
駅から徒歩2分ほどのところにお店を構える古着屋「KATACHI」。その広々とした店内には海外から買い付けたこだわりの古着が所狭しと並んでいる。今回は、「TALON」というスナップサイトを運営する写真家であり、「KATACHI」のショップマネージャーをつとめる齋藤一平さんにお話を伺った。




■ 「KATACHI」のコンセプトを教えてください。

コンセプトは「ジャンスレス・ボーダーレス」です。大人と子供の境界線とか、ストリートとモードの境界線とか、古着と新品の境界線とか、そういうものを超えたお店にしたいという気持ちがあります。着こなしで言えば、うちはヴィンテージもあればデザイン物もあって、ストリート色の強い物もあるので、そういう中でのスタイルの提案というところがコンセプトです。


■ お店の名前の由来について教えてください。

「形から入る」って言葉があるじゃないですか。何をするにせよ、何かしら形にしないといけない。これはスタイルの提案にも繋がるし、どんな職業にも当てはまると思います。いろいろなジャンルレス・ボーダーレスなものたちを組み合わせて形にしないといけないということがテーマで「KATACHI」という店名にしました。


■ 「KATACHI」のお客さんにどのような人が多いですか?

本当に服が好きな人が多いですね。年齢は関係なく、サラリーマンも来れば美容師さんや学生も来るので特にターゲット層はないのですが、服が好きな人が見て面白いと思ってもらえればいいかなとは思っています。今のところメンズの商品しか取り扱っていないのですが、もちろん女性のお客さんもいらっしゃいます。




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■ 祐天寺に出店した理由を教えてください。

祐天寺ってけっこう特殊な街で、夕方にオープンして夜中まで営業している古着屋が多いんですよ。そういうところに惹かれました。仕事終わりの人たちがぶらっと寄って、世間話とかくだらない話をしながら服を見られるような環境は魅力的です。


■ 接客時に気を付けていることがあれば教えてください。

お店側もお客さん側も素で話せるような環境作りができるように心がけています。ありのままでお客さんと接するということを重要視していて、例えばそれが服の話だったら、どの組み合わせがかっこいいか悪いか、という提案をしています。うちのお店の商品で全部揃えたとしてもダメだったらダメって言うし、こっちの方がかっこいいっていうような提案の仕方です。
また、自分はカメラの仕事をしているので、服以外の仕事の話などをすることで美容師さんの作品撮りや音楽関係の仕事などに繋がることもあるので、関わりは大切にしています。


■ 買い付けの際のこだわりはありますか?

小野さん(KATACHIオーナー)と自分がピンときたものを選ぶ、ということは前提としてあります。また、古着というとアメカジなどが多いと思われがちですがそういう時代でもなくなってきていて、80s、90sくらいのデザインのきいた良い物など、「今、こういうのが古着であるんだ」というようなものがうちはけっこう多いと思います。新品もやっぱり古着に寄せて作られていたりするので、そういう意味で原点回帰というか、古着でもこういうものがあるよっていう面白さを伝えたいです。
あと、やっぱり流行も意識しています。例えば花柄だったらうちが提案したい「花柄」っていうのを意識して買い付けてきています。「気兼ねなく着れる」「色味が洒落ている」だったり。流行も踏まえた上で、うちの店が打ち出したい物って言うのはちゃんと考えています。




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■ 「KATACHI」の考える古着の魅力について教えてください。

物として面白い部分もありつつ、着こなしで見たときに「どこで買ったの?」って思えるようなところです。単純に人とかぶらないとかそういうことじゃなくて、どこの店が好きなのかわからないような危うい服の着方をしている人をかっこいいと思いますね。古着にはそういう魅力があるのかもしれないです。


■ 今後の展望があれば教えてください。

もしこれから新店を出すとしたら、メンズはもちろんレディースや新品もやっていきたいですね。あと、「KATACHI」自身としては純粋にもっとスタイルを提案していきたいという思いが強いです。今の流行でも好きな部分にはちゃんと影響を受けつつ、違うと思うところに対しては違うと言いたい。単純にかっこいいと思えるものを揃えて賛同してくれる部分や、そうでないところも含めて服を媒介として対話できるような関係づくりをしていきたいです。
今お店に来てくれている人だったらより深めていきたいし、新しく来てくれる人であれば増やしていけたらいいなと思っています。





“頑張る”ファッションから“楽しむ”ファッションへ。
既存の枠にとらわれない古着を見に、一度「KATACHI」へ足を向けてはいかがだろうか。





Text by tatsuki / Photo by mei


KATACHI


住所 東京都目黒区祐天寺1-22-4
電話番号 03-5773-5090
営業時間 17:00〜25:00

HP:http://katachi-yutenji.tumblr.com/


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