Fashion

F.E.A.R


 


2009年に立ち上げられたアクセサリーブランド、F.E.A.R。


嶋崎昌久氏、長嶋研東氏の二人がデザインから製作まで手がける。そんな彼らにインタビュー。


■ブランドコンセプトを教えて下さい。


F.E.A.Rというブランドネームがそのままコンセプトになっていて、全体的には恐怖。
F-Fake、E-Expression、A-Anti、R-Realと一文字一文字にも当て字があり、真実を隠してニセモノで生きていく、反現実・偽造主義という意味合いです。
一様では表現できない毒・トゲの部分を、自由度が高いアクセサリー・小物をメインに落とし込んで表現しています。




■デザイナーになるまでの経緯を教えて下さい。


元々2人(嶋崎・長嶋)は幼なじみだったんですが、嶋崎は服飾の専門に、長嶋は大学の服飾科にそれぞれ進みました。
嶋崎は卒業後、インテリアショップで、販売、MDを現場で学んでいました。
また、作品(元々は絵)をためていて。
その時、長嶋は大学4年生。プライベートで遊んでいるなかで一緒にやりたいねと話していました。
最初はインスタレーションという形ではじめてから、嶋崎が1人でインスタレーションを土台としてブランドを立ち上げて展示会をしました。
それを長嶋が見に来て、「ディテールのデザインをやりたい」と言ったことが2人でやりはじめたキッカケです。
全体的なデザイン、アプローチは嶋崎が、それを元に長嶋が商品化するためのディテールデザインをします。




■素材や色でこだわっている点はありますか?


今、素材にこだわっている人は少なくて、”デザイン性が良かったら多少素材が悪くても欲しい”という考えが多いのが嫌なんです。
デザインがかっこよくても、素材がチープなのは勿体無い。
大企業はコスト面も考えて良い素材を使うことができないのかもしれないけど。
自分達は個人でやっている以上、面白いものを作ること以外に素材や機能性を重視してデザインに落とし込んでいます。
具体的なこだわりとしては、リアルレザーは外せない。牛レザーにも沢山種類がありますが、例えばこのアイテムにはヌバック、オイリー、エナメル、ガラス、型押し…
と1型1型なるべく革の素材も変えて、そのアイテムが1番映える革というものを考えるようにしています。


金具・スタッズ1つにしても重みがあって光沢もすごくキレイに出てるものを選んでます。
出来上がったときの全体のバランス・雰囲気だったり、持ったときの重さ・革と金具の素材のバランス・組み合わせにもこだわっていて、同デザインでも色違いなだけで素材選びもイチから行っています。




■ハンドメイドにこだわる理由はなんですか?


「意地なのかもしれません。」
正直、ハンドメイドならではの手法などあまりないので、工場に任せられるとこは任せられるんです。
だけど、F.E.A.Rはハンドメイドにこだわると決めているので、曲げる気は今のところありません。
商品1つ1つへの愛情や想い・希少価値・商品1つ1つが違うハンドメイドの良さを守ること
大手が出来ないことを僕たちのブランドはやっていきたいと思う。




■ハンドメイドでこだわっている素材のわりには、お値段はそこまではりませんよね?


正直ハンドメイドはかなりキツいです。生産量が多い、アイテムによってはかなり時間がかかるものもあります。
でも、ハンドメイドだから高いっていうのはやりたくないんです。今はコスト、生産性も考えつつ、いいところをなんとか残せるように、企画ありきでどこまでできるか考えて作っています。




■身につけてもらいたい人はいますか?


最初は露出激しめな、エロティックな大人の女性でした。
でも最近はお客さんと話す機会もできて、クラブミュージック好きな男の子たちもよくつけてくれていて。
今は色んなジャンルの人に使っていだたきたいと思っています。色んな人に色んな毒を身につけて欲しいというのが1番の望みです。




■今期のテーマについて教えて下さい。


もともとF.E.A.Rなはシーズン・コレクションはないんですけど。
今回作った新作は、80年前のインドの民族衣装を解体してミラーワークを使ったもの。
もともと嶋崎自身、黒から脱却したくて。
黒はありきだけど色を使いたい。使うならとことんハデなものを使おうかなと。
また、今までジップや革を着古して自分の色を出してもらいたいというのが狙いだったんですが、今回は逆の発想でアプローチしたかったんです。
今までの新品からの退廃ではなく、退廃したもの新品にリサイクル。
80年前の民族衣装を新しく、エッジーに蘇らそうというねらいです。
あと、ミラーワークのミラーには、はね返す力、反射の力という意味があって、”人の意見を寄せ付けない・自分は自分”というコンセプトが新作のテーマで、1番伝えたい部分です。あと、魔除けの意味合いもいいなと思って。F.E.A.Rから魔除けブレス発売!みたいな笑
ヴィンテージへの憧れもあったし。民族衣装はハンドメイドで、それは自分たちと繋がるところもありますし。
今回のは作っていて本当に楽しかった。全部柄が被らないから自分たちも一点一点出来上がるまでどんな感じになるか分からなかったですし。




■作品づくりをする上でのインスピレーションはどこから?


嶋崎が殴り書きのラクガキをノートにスケッチして、アタマの中のばくっとしたイメージ・やりたいことを整理して、そこからアイテムのデザイン画を描く。そこから長嶋と共に、ディテール、生産性を考えたピックアップの作業が入り、長嶋がそれを形におこす。なので、毎回型数少ないんですよ。
実はデザイン案は山ほど溜まってるんです。




■今後の展望・課題はありますか?


ブレス・リング以外で革小物・カバンなど、革全般を幅広くF.E.A.Rから展開していきます。




 



 



 






F.E.A.R

嶋崎昌久氏、長嶋研東氏の二人がデザインから製作まで手がける。そんな彼らにインタビュー。



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