MOTO GUOの2017A/W コレクションが渋谷ヒカリエホールBにて発表された。MOTO GUOは、中国カルチャーをルーツとしたブランドで、日本でのコレクション発表は今回が初となった。
このショーを見て受けた印象として第一に、『楽しい』ということが挙げられる。モデルたちはユニークなメイクを施され、パンツにチューリップが刺さっていたり、帽子はタケコプターのようにプロペラが回っていたりと思わずくすっと笑ってしまうような、遊び心たっぷりのショーであった。
今回のショーはデザイナーが掲げたテーマである『ある少年のドキュメンタリー』に日本の雰囲気がプラスされたもので、日本の童謡のアレンジのようなBGMなどから会場はノスタルジックな雰囲気に引き込まれた。『ドキュメンタリー』ということで、ファーストルックは非常に露出度の高い姿に枕を背負って登場し、次はロンパース姿など、1人の少年の成長をファッションで見事に表現した。今回はたまたま日本のカルチャーをメインで扱ったものを日本で発表することになったと言うが、幼い頃のノスタルジックな記憶や思い出は、世界共通のテーマであるとデザイナーは語った。
フィナーレでは、モデルが全員手を振って笑顔で登場。忙しない東京、渋谷のど真ん中でほっこりとした暖かい時間が流れた。
どこか懐かしくて、それでいて斬新で無邪気なショーは思わず頬が綻ぶ。そんな世界を作り出せるのは、ミラノや上海など世界で活躍していながらも、少年のような無垢な心をもったデザイナーならでは。私が大人になっても、それを難しい顔をしてみるのではなく、純粋な心を持って存分に楽しみ続けたいものだ。
Text/諏訪ふみ
Photo/鈴木優人