Fashion

Yasutoshi Ezumi / 江角泰俊 1/2



Yasutoshi Ezumi  designer 江角泰俊にインタビュー。 


Yasutoshi Ezumi / 江角泰俊


「Brand」

ファッションブランド “Yasutoshi Ezumi” はデザイナー江角泰俊によって2010年に設立。

2010AWよりコレクションを発表。

現在、Yasutoshi Ezumi コレクションを提供、デザイナー江角泰俊自身ファッション/テキスタイルデザイナー、アートディレクターとして活動。



「Brand Concept」


理/LOGIC


事象、現象、生活、社会、文化、環境の中にある理の中から焦点を絞り、
その物、事、摂理、物理に対して考察、実験、研究をする中でデザインを行い、
理由のあるデザイン、結果としての形、色、質感を導きだす。


■なぜデザイナーを目指したのですか?


広島県に生まれ、島根県で育ちました、ファッションとは程遠い田舎でした。
しかし、人に服を着せたりしていくうちにスタイリストを目指すという夢ができました。
そして学校に通ってスタイリングを学ぼうと考えていたのですが、よりファッションに触れていくと、作られた既製のものを着せるというよりは、自身でものを作る事に没頭し、一から自分で服を作ろうと思い始めたのがはじまりです。
大阪の短期大学で服作りを学びましたが、卒業するころ、海外に行って勉強してみたいという気持ちが出てきて、そのころ私は、アレキサンダー・マックイーンのクリエーションに魅了されていたので、彼の卒業校セントマーチンズで学びたいと考え、留学しました。
海外ではデザインに対する考えが日本と異なっていて、外に出たことによって日本がよく見えたという事もありました。西洋服でもなければ、日本の着物でもない新しい創造性のある、「衣服」を作りたいと考えデザイナーになるという事をより現実的に考え始めました。
また、幼少時期に祖母が和裁の先生であったのも少なからず、身近な存在としては影響していたと思います。


■コンセプトを「LOGIC(理)」にした経緯・理由は?


なぜコンセプトを「LOGIC(理)」にしたかというと毎回シーズンごとになにかひとつの事象等にフォーカスします。「理にかなっている」ものが自分の中で魅力的に感じたからです。また、父が住職であり、物理学者であるという事から、「心理」と「物理」を身近に感じていたことも理由にあると思います。物理的な方面でも精神的な方面でも全てのものには「理」が関係していて、自然の葉の形にしてもなぜそのような形になったか理由があり、自然の現象にもそこに理由がある。そして人間の感情的な行動にだって理由はある。

「理」はきっても切り離せないものと私は見出したからです。




■では毎回のテーマにモチーフにするのはどのように決めるのですか?


「LOGIC」が全ての主幹にあるのは、かわりないのですが、毎回デザインから入るのではなく、テーマを立て、リサーチをして尽きつめていき、自分の中でのイメージを膨らませてからデザインに入ります。
確固たるコンセプトを立てるのが自分の服作りには合っていると思います。



前回までのコレクションについて説明しますと、
2010A/Wでは[Rectangle] リクタングル/長方形にフォーカスして膨大なリサーチをしていく内に生地は長方形で生産されるが服を作る時に西洋服メゾットだとカーブなどがあり端切れなどがでて、30-40%ほど生地の無駄がでる。しかし、着やすく、動きやすいという合理性がある。一方日本の着物は、生地は長方形をそのまま使い、端切れがないという合理性があるが、動きにくいという弱点がある。ではそこで、二つの合理性を生かしたものを作ればという考えから生まれました。



2011S/Sは、長方形との関係を持たせ、「LINE(線)」をそこに加えたもので、平面の中に線を入れることで、動きや形を持たせたのが特徴ですね。



2011A/Wでは、「Secret Code Fractal (シークレットコードフラクタル)」、自然の摂理、自己相似性に着目して、調べていくと、自然の中で物理的に解明されているものなどに着目しました。マンデルブロの集合体はどこをピックアップしても全て同じ形に類似していることや、フィボナッチ数列であれば、自然界では花びらの数と関係性がある、全ては理由があったのです。
そして、物理学のなかの自然の摂理を定理しているもの服に落とし込むというデザインをしました。
そんな中でアールデコ時代のファッション的風潮、マドレーヌ・ヴィオネの縦長のエレガントな雰囲気の腰が落ちた、長方形を落とし込んだ服作りがファッションデザインイメージに関連付けています。



ただ、このようにテーマを設けてリサーチから入りデザインにしていく作業で難しいのが、それをどう服に落とし込むかということです。毎回苦悩しながら考えています。しかし、モダニズムで繰り返される服作りのなかで、ポストモダニズム的に、どう新しいものをつくりあげるか
どうテーマを落とし込むかが重要だと思っています。



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Yasutoshi Ezumi

WEB:http://www.yasutoshiezumi.com

TEL: +81(0)3-6310-9552



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