Fashion, Interview

Tomihiro Kono 4/4


Tomihiro Kono 4/4



世界的ヘアアンドヘッドプロップアーティスト Tomihiro Konoにインタビュー。


Tomihiro Kono 4/4


今回は彼のヘアアンドヘッドプロップアーティストになった背景から今現在彼自身がなにを行っているのかインタビューと作品を交えお伝えしていく。彼は今回CANDYでの「IN UTERO」というインスタレーションの為に一時ロンドンから帰国している。そんな彼に彼のクリエイションのオリジナリティーの背景、源に対して純粋な疑問と主にお話をお聞きした。


■母国を知るという事


「日本にいたときはヨーロッパの空気が漂う「もの」に憧れていましたが、海外で活動をしていくことで日本人であるということ。日本人にできること。これらを意識するようになりました。」


イギリスにはとても長い服飾文化がある。それを踏まえた上で新しいものを作っていこうとする姿勢は、そんな空気、クリエイションに対する本物の姿勢に向けられた羨望からくるものだ。当然のことながら東京とロンドンには根本的に文化や美意識の違いがあるが、そんな河野さん自身も、母国である「日本」に対してどこまで深く理解をしているのかを疑問に思った事があるそうだ。


「日本にいた頃、日本髪を勉強するために日本髪の先生に頼み込んで手ほどきを受けました。日本の美を知り、そしてその後ヨーロッパの空気を感じた後で生まれたのがジャパンアバンギャルド という作品です。双方の文化に触れ、感じた状態で表現したらどうなるか。ヨーロッパの世界観を考慮しつつ日本を意識するということ。和洋折衷で起きた化学反応のような現象が当時自分たちには新鮮に思えた。僕たちがビクトリアン時代やマリーアントアネットの世界観にあこがれるように、海外の目線になると芸者のもつミステリアスな部分にロマンスを感じたり。作品を発表したときにアート紙のカバーになったことでその反響が不思議なほど伝わってきた。」


■今後の展望


河野さんはファッション誌だけではなく、ときにはミュージシャンやperformance artist,映画、演劇 、ショップウィンドーのために ヘアヘッドプロップをダイレクションし制作する。又。ヘアスタイルの提案はもちろんだが、そこからもう一歩踏み込んで「女性像」を掘り下げていく。 有名雑誌の廃刊等もあり、海外と比べるとクリエイターの発表の場が少ない日本ではあるが、河野さんのように自主的に、そして誰よりも積極的にクリエイティブな活動を行うアーティストの存在は非常に大きいといえるのではないか。


「日本から発信する日本的な作品や伝統的なものに興味があります。日本で生まれた舞踏や歌舞伎,音楽や文化,ストリートで生まれるファッションだったり、日本の風土があってこその文化にとても興味があります。それらに対して自分が影響を受け、今後なにをクリエイションしていくのかという自分の反応または変化に興味があります。特に自分たちの世代のクリエーターには自ら考え、自主的になにかを始めるという大きな動きを感じます。その人たちとなにか共同でできたおもしろいだろうなとおもいます。」


活動の拠点のメインはロンドン。だがこれからは日本も活動の場として意識していく予定だという。どのような反応が起きるのか。ただそれが楽しみで仕方ない。




Tomihiro kono’s WORKS



VOGUE ITALIA Photo BY STEVEN MEISEL , head props by Tomihiro Kono



hair and head props with rafael stahelin for in utero project



beauty story with jonas bresnan.


Tomihiro kono’s Instaration




現在Tomihiro Konoさんの作品はブックの形になり、渋谷にある「Only Free Paper」にて展示されている。是非みていただきたい。彼の作品が紙になることでまた新たな雰囲気が加わっている。

Tomihiro kono

2007年からロンドンにてセッションスタイリストとして活動する傍ら、オリジナリティを追求していくうちに作品へのコンセプトに基づいたウィッグやヘッドピース制作を始める。その後、ロンドンにてファッションスタイリストやアーティストの間で話題となりヘア&ヘッドプロップアーティストという特別なポジションを確立する。2010年9月にはLONDON FASHION WEEKの一貫として映像とパフォーマンスを駆使したコレクションを発表する。近日ではart,performance,boutiqueとの幅広いコラボレーションを行い多域にその活動を広げる。そのスタイルは1920-30年代のダダイズム、シュールレアリズムの影響を受けており、その中でも特に第二次世界大戦後に興ったアートのムーブメント’Assemblage’(全く意味のないオブジェを組み合わせ、意味のもつ立体的なコラージュ作品を作りあげること)という行程に興味を持つ。一度きりのオブジェ、素材との出会いを楽しみ、その素材の持つ特徴や意味を考えながらコラージュしつつ作品を制作しており、古いものをまたリサイクルして新しいものとして機能させる独自のスタイルを築く。
ポートフォリオ : http://www.tomihirokono.com/page/PRESS.html
ブログ : http://www.tomihirokono.blogspot.com/
Mother magazine : http://www.mother-magazine.com/


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