Fashion, Interview

Tomihiro Kono 3/4


Tomihiro Kono 3/4



世界的ヘアアンドヘッドプロップアーティスト Tomihiro Konoにインタビュー。


Tomihiro Kono 3/4


今回は彼のヘアアンドヘッドプロップアーティストになった背景から今現在彼自身がなにを行っているのかインタビューと作品を交えお伝えしていく。彼は今回CANDYでの「IN UTERO」というインスタレーションの為に一時ロンドンから帰国している。そんな彼に彼のクリエイションのオリジナリティーの背景、源に対して純粋な疑問と主にお話をお聞きした。


■コンセプトをもとに作品制作をする


現在、河野さんは「NEON O’CLOCK WORKS」という名義で渋谷にあるコアなファンを抱えるセレクトショップ「CANDY]にて、「IN UTERO」と名付けられたインスタレーションを開催している。 NEON O’CLOCKとは2005年に artist の丸山サヤカさんと結成したユニットだ。コンセプチャルなものを発表する祭には常にはパートナーの丸山さんと話し合いを重ねながら制作を進めるそうだ。


「僕はストリートから生まれるものやその背景、それが生まれた時代性にとても興味があります。その裏側にある思想や時代の空気、それをファッションという媒体を通して伝えて行きたいんです。」


「CANDYに関しては非常に東京を意識したおもしろいお店だと思いました。何よりもカルチャーを大事にしていて、ショップという集合体をひとつの空間と考えカルチャーを発信していこうという姿勢が感じられる。コンセプトを大事にするという点においてロンドンと同じですね」


CANDYのスタッフ方と話すことで気づいた事があると彼は言う。それは渋谷センター街がその立地的要素もあり、膨大なエネルギーに満ちあふれているということだ。加えて、すべてが常々進化を遂げる街、かつ特定のジャンルではなく多種多様な人が行き交う街。今までに見たこともない新しい「何か」が生まれそうな予感を感じた。


CANDYでインスタレーションを決意した目的は奇抜な作品を見てもらい、それに対する反応を見たいという一種の実験的、かつ挑戦的な試みである。足を運んでくれた人がそこにあるカルチャーに対して何を感じるか。河野富広は何よりも作品が完成するまでのプロセスを大事にするアーティストだ。なぜそれを発表したのかという背景、時代、カルチャーを正しく、明確に伝えなければならないという使命感を常に持ち続けている。


■「IN UTERO」とは


「この IN UTERO シリーズはロンドンのSOHOにある machine A というブティックのためにインスタレーション形式で発表したものです。フェティシュで攻撃的パンクなものというテーマがもとからありましたがただアイテムをつくり展示という形をとるよりはなにかコンセプトを打ち出しポツプアートのような象徴的なものを表現したかった。」


アイテムは釘で顔全体覆われたマスクや鋲などでつくられたヘッドピースと攻撃的なアイテムなばかりだが、その反面にあるナイーブで繊細な内面を表現している。マスクの質感は皮膚がただれたようなリアルで生々しい。


「IN UTERO というのは女性の子宮の中に胎児がやどったときの状態をいいます、そこには血管がはりめぐらされ、その緒は胎児の首にまきつき、あらゆる生き物は生まれる前から拘をされていて、人間としてこの世に生まれてきてもその拘束からは逃れられない。」


死に到達することではじめて拘束から解放されるという皮肉を大きなショーケースの中で表現したコンセプチュアルな作品である。グロテスクで繊細な美、得体のしれない角のはえた半魚人,壊れたガラス、なにか不完全でグロテスク、繊細で壊れそうな儚い美がそこにはある。


Tomihiro kono’s WORKS



hair and head props by tomihiro kono



head direction for theo admas company world tour by tomihiro kono photo by david sims


Tomihiro kono

2007年からロンドンにてセッションスタイリストとして活動する傍ら、オリジナリティを追求していくうちに作品へのコンセプトに基づいたウィッグやヘッドピース制作を始める。その後、ロンドンにてファッションスタイリストやアーティストの間で話題となりヘア&ヘッドプロップアーティストという特別なポジションを確立する。2010年9月にはLONDON FASHION WEEKの一貫として映像とパフォーマンスを駆使したコレクションを発表する。近日ではart,performance,boutiqueとの幅広いコラボレーションを行い多域にその活動を広げる。そのスタイルは1920-30年代のダダイズム、シュールレアリズムの影響を受けており、その中でも特に第二次世界大戦後に興ったアートのムーブメント’Assemblage’(全く意味のないオブジェを組み合わせ、意味のもつ立体的なコラージュ作品を作りあげること)という行程に興味を持つ。一度きりのオブジェ、素材との出会いを楽しみ、その素材の持つ特徴や意味を考えながらコラージュしつつ作品を制作しており、古いものをまたリサイクルして新しいものとして機能させる独自のスタイルを築く。
ポートフォリオ : http://www.tomihirokono.com/page/PRESS.html
ブログ : http://www.tomihirokono.blogspot.com/
Mother magazine : http://www.mother-magazine.com/


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