Fashion, Shop Review

HAKUi/町田


HAKUi

唯一無二のこだわりを持ったSHOPを紹介。


HAKUi


“人と共に成長してきた洋服”
“人と共に成長していく洋服”


■“本物(real)”というコンセプトをもとにヨーロピアンビンテージを取り揃えておられますが、HAKUiさんのお考えになる“本物(real)”とは具体的にどのようなものですか?


そうですね。ボクたちが集めている‘ふるい洋服’は、決してブランド品とは違いますから‥、
「ここを見れば」のような明確な基準は当然ありません。
多分に主観的にはなるんですが、以下をHAKUiとしての定義と考えています。
“人と共に成長してきた洋服”
“人と共に成長していく洋服”

この2点です。

とても明快だと思います。

いかにふるい洋服、それがVictorianやEdwardianとはいえ「人間ありき」であることには変わりありません。
言わずもがなですが、まず人間がいてこその洋服です。
人の営みを感じることができるからこそ、そこに魅力を感じえます。

あくまで、
人間 > 洋服。

事を成した人間は偉大です。
当然、過去の人間の功績の上にボクらはありますから。

その過去の功績を支えてくれた洋服たちです。

ですから、これらもやっぱりそれなりに偉大なんです(笑)。

耳をすませば、小さな声ですがその語り口調は雄弁でさえあります。

成長をめざす人間は美しいです。その生涯の中で進化できることこそがまさに
‘人間’たる証です。
苦悩の泥の中にこそ、進化の光る種はあります。

その泥に、共にまみれた洋服たちは、どれも美しくまた雄弁です。

人間の進化を助けた時間と経験こそが、いわゆる古着の‘味’の主成分、“本物”の
テイストだと思います。


■.HAKUiを開いたきっかけはなんですか?


すごく正直に言いますね。これは単純に、着たい洋服を集めるためですね。
あと、うまく社会になじめなかったためです(笑)。
洋服というものに、日々あたりまえのようにボクは感動していました。それを伝
えたかったんです。
知らない人はもったいないと。
「○○っていうラーメン屋さんはとってもおいしいよ。」って言った類に、いいと
思えるものは抵抗なくいいと言えます。
ごほうびがもらえなくったって宣伝しますよね(笑)

それをはじめただけです。あえて口幅ったい言い方をすると、感動の共有がした
かったんです。

ボクは人付き合いが苦手で、まったく得意ではありません。洋服がボクと他人と
の間に入ってくれないと、今は身も蓋もないんです(笑)。

自己表現の手段として、「店をはじめる」これしか思いつきませんでしたね。

感動の「おすそわけ大会」です。

洋服のおかげで、幾ばくかの自信を得て、一日がたのしくなりました。ほんの
ちょっぴりですが物事がうまくいきました。

それはおそらく、本質的に誰もが求めていることだろうとの仮説を立てて、感動
のおすそわけ大会をはじめました。

5年ほど前の相模大野という場所でですね。

3年くらいは、本当に誰にもわかってもらえず苦慮しどおしでした。
そのうちに、人が人を呼んでくれて、、

その苦労を感じた場所から、引き続いていらしてくれているお客さんには、やっ
ぱり想いもひとしおです。



■古着の買い付けを店長である伯井さん自身が一点一点行っているということですが、選ぶ際のポイントがありましたら教えてください。


商品を選ぶ際のポイントは――
そこに具体的な‘顔’が見えるかどうかなんです。

「○○くんに似合うかな」
「○○ちゃんが欲しがってたな」などです。

それぞれあたりまえに、人間はちがいます。
古着も、一般的な洋服に比べれば桜梅桃李、それぞれおもしろいように変化に富
んでいます。

ちがったもの同士が、個性を尊重しあいながら出会いを求める。

それが合致したときの感動に直面できる喜びは、他には到底替えがたいんです。

ボクも、いらしてくれているお客さんも、大量生産大量消費社会に少なからずう
んざりしています。

大げさかもしれませんが、‘個の尊厳’への危機感をも感じています。

必ずしも、人の個性は洋服が支配するわけではありませんが、それを助けたり、
盛り上げてくれているツールであることは事実だと思います。


■HAKUiさんにとって服とは?


それは、人と人との架け橋でもありますし、人と人とを隔てるものでもあると思
うんです。
人と人との間には、常に物質としての‘服’がありますから。
人は、服を介してでしか人と接することができないんです。

世の中がこれから何度かの変革期をむかえても、人が人と接する社会であるかぎ
りは、まだまだなくてはならないツールなんだと思っています。

人が人と出会うことで、またより密接に絡み合うことによって大きな価値とさら
なるエネルギーが生まれます。
その輪が大きくひろがればひろがるほど、その価値は累乗倍にも大きくなるはず
です。

お気に入りの洋服で、合コンやデートがうまくいくでもいいと思います。
何か課題に対して、気分が高揚しているときの方が、うまくいくことは多いです。

そうした連鎖が、やがて人から町、そして社会へ波及して‥って考えると、
ちょっとわくわくしますよね。

昔は本当に歯車であることを嫌いました。今はこうした善の歯車の1つになりた
いと考えています。

人がより人であるため、また夢にむかってすすむため、必要なツールだと思います。

社会がおもしろくないから、洋服がおもしろくないのか、
洋服がおもしろくないから、社会がおもしろくないのか、

後者なら、まだボクにも社会に対して手の施しようはあると考えています。

洋服を選ぶことは人生を選ぶこと。
人生は選択の連続で成り立っています。

コーディネートは常識と流行をふまえながら、いかにそれを手玉にとるか。コン
トロールするか。

ときにしたがい、ときにあらがい、ときになぶって、ときに諷する。

こんなふうに、人生もコントロールできたらなっていつも思います(笑)。


■.HAKUiさんの接客にはビンテージ物や服の歴史を伝える姿勢に熱いものを感じました。どのような人に販売する服を着てほしいですか?


前述したように、成長のために格闘している人です。そのための助けになるよう
な洋服を選んであげたいなって思います。
人も服も、‘味’を熟成していってほしい。もちろんボクなんて、まだまだ‘薄
味’、水みたいなもんですが(笑)。
HAKUiにひしめく洋服たちに、負けない成長をしたいですよね。


←HAKUi 伯井 哲雄さん

 

 

 

HAKUi

住所 : 東京都町田市中町1-3-17 1F
営業時間 : ・ OPEN 13:00 ・ CLOSE 21:00 (土日/~22:00)
定休日 : ※毎月 1日 (ついたち)に お休みを いただいております。

TEL: 042-724-7891
WEB : http://mixi.jp/view_community.pl?id=1576346


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

This blog is kept spam free by WP-SpamFree.