Fashion

246stMARKET talk show

D2Cブランドの可能性

9月14日から23日までワールド北青山ビルにて行われたポップアップ型百貨店イベント、246stMARKET。

9月13日、イベント開始に先駆けてトークショーが行われた。
モデレーターの本田哲也、ファッションクリエイティブディレクターの軍事彩弓、建築家の百枝優、TO NINE取締役の吉岡芳明の以上4名が登壇。
IMG_0622
IMG_0643

コンセプトはサスティナブル。什器は建築家の百枝によってリユース可能な構造でデザインされた。
今回出展ブランドのキュレーションを手掛けた軍事は、”それぞれが商品に愛を持って制作し、それを消費者に届けようとされているブランド”を選んだそう。
IMG_0642
今日のアパレル業界では、個人のブランドがSNSから始まり、EC販売を経て自身でポップアップ等のイベントに参加する形が増えた。
資金や場所がない若手向けにワールドが場所を貸しキュレーションすることで「物を人に伝えたい」というD2Cブランドの強い思いを叶えるきっかけとなった。

D2C(※1)の特徴は作り手がお客とダイレクトに繋がれること。
一方でSPA(※2)は企画から製造、小売までを1社が一貫して行うアパレルのビジネスモデル。
アパレル業界を大きく変えたSPAの構造ですが、これからの時代は顧客の意見をより早く反映できるD2Cが本質的なビジネスモデルになるのではないかと本田は話した。


 

同じように消費者の買い物の仕方も変化している。
近年、消費者は物を大切にする為・愛する為にストーリー性を大切にするという動きが増えている。
「whatからwhy,how」
何を買うかではなく、なぜそれを買うのか どう買うのか。というように物を大事に思ったり、どんな出会いをするかといった物語を大切にする姿勢がこれからは必要だ。
その第一人者として有名なSTELLA McCARTNEYを始めBurberryやCourrègesといった海外ブランド、そして日本国内ではストライプインターナショナル等もエシカルな服作りに力を入れ始めている。

 

本イベントではファッションの主人公である作り手と着る人をダイレクトで繋げた。
そして北青山という好立地に建つオフィスビルのワンフロアをイベントスペースとして活用することで参加ブランドのファンだけでなくSNSをチェックしない年齢層と出会うきっかけ作りも果たした。
WORLDは今後も継続して若手支援の場を作っていきたいという意向のようだ。
IMG_0633
※1 D2C:Direct to Consumerの略。消費者に対して直接商品を販売する仕組み。自社で企画、製造した商品を自社の販売チャネル(多くはECサイト)で販売するモデルを指す。
※2 SPA:specialty store retailer of private label apparelの略で製造小売ともいう。企画から製造、小売までを一貫して行うアパレルのビジネスモデルを指す。

Text/櫻田美羽
Photo/ 越智柚月