自然界の構造形状から
9月3日、JINGにてEZUMiの2020年春夏コレクションが発表された。
2018年秋冬コレクションよりブランド名を改名した同ブランド。2年ぶりのショー開催となった。
今回、着想源となったのはスペインの建築家で構造家でもあるサンティアゴ・カラトラバの作品とそのコンセプト。人体構造、骨、鳥の翼など自然界の理にかなった構造形状から発想する、彼の建築、彫刻作品における構造表現、機能が装飾になる線の美しさ、力の釣り合い、それらをインスピレーションに既存の服の構造をディティールに落とし込み、形態の反復によるその強いヴィジュアルをグラフィカルにチェックの組み合わせで表現したコレクション。
ブラックのティアードワンピースは裾の生地量が多くそこに深いスリットが入り、歩くたび空気を含み揺れていた。
バストやウエスト、スリーブにベルトやドローコードを使用したアイテムが多く登場し独自のシルエットが美しい。
そのほかにもドレープスカートやプリーツの組み込まれたワンピース、スカートなど動きの出るアイテムが多く登場。
そして今回のコレクションのために制作されたグラフィカルなオリジナルチェックのカラーパレットはアートディレクターでグラフィックデザイナーである多田明日香の作品からインスピレーションを受けた。スタンダードカラーとビビットカラーの組み合わせが春夏コレクションぽさを際立たせている。
また、今回のショーでは独特のリップメイクに注目したい。サポートはshu umemura。
上唇はマットな質感の赤リップ、下唇はツヤっとした薄づきリップ。そのコントラストが新鮮な表情を見せた。
しばらくはプレゼンテーションで発表を行なっていたが、JALの新制服をディレクションしたこともあり、今シーズンはショーを行う運びになったと話したデザイナーの江角。今後の日本での展開に期待が高まる。
Text/櫻田美羽
Photo/ 荘あかり