北青山で行われたポップアップイベント246st MARKETでは、作り手と直接話せる空間となっていた。ただ買うのではなくデザイナー側の想いを知ることで、その製品を自分の生活の一部としてより愛することができる。それぞれのデザイナーに商品の裏側に存在するストーリーや想いを語っていただいた。
R for D
R for Dは、渋谷にあるセレクトショップ。渋谷・神泉にあるショップにはこれよりも奇抜なアイテムがまだまだあり、今回のポップアップはまだまだ抑えめとのこと。その言葉通りベーシックな形であるが総柄プリントの施されたパンツや、首の後ろに特徴を持たせたシャツなど、面白さがありながら、普段着として着用できるものが多かった。
渋谷にあるショップは、セレクトショップとしては珍しく、今回のポップアップの会場となったワールド本社の1階オフィスと同じくらいの広さがあり、ここでしか見られない幅広いブランドの洋服や雑貨を多く取り扱っている。デザイナーと着る側の人間が、お互いにインスピレーションを与えられるような場になるようにと、店内の空間を人と人がコミュニケーションを取りやすいように工夫されていたり、イベントなども積極的に企画している。オンライン・ショップも展開しているが、ぜひ一度お店に足を運んで、良いものを見つけてほしい。
BEYOND THE REEF
完全受注のハンドメイドアクセサリーブランド。作られたバッグのタグには作った編み手の名前が書いてある。このハンドメイドバッグを作るアトリエは、編み手たちにとって単なる作業場ではなく、その地域の人々と交流するコミュニティーとして重要な存在となっている。バッグのデザインに取り外しできる部分を付けることで、一年を通して使えるようにし、使う側の人たちが流行のために無理して新しいものを買う必要を最小限に留められるようにしている。
こういうアイデアは大量生産ではなく一つ一つ手作りでものを作る人だからこそ出てくる発想だ。いつまでも使ってもらいたいとただ願うだけでなく、実際にどういったデザインにすれば長く大切にしてもらえるか考える。作る側と使う側両方にプラスとなる結果を追求している姿は、私たち使う側の服・アクセサリーに対する考えを変えるきっかけとなるだろう。
Objcts.io
機能性に優れているだけでなく、デザイン性も高いレザー製品を生み出すブランド。デザイナーの鞄職人としての経験から、レザーに対して抱かれている「重い、雨に弱い」などのイメージを覆す製品を作ることを目指している。面白いのがリュックだけでなく、ドローンや掃除機のダイソンを収納するケースも作っているところ。
ドローンケースはショルダーバッグとしても使えるスタイリッシュなデザインで、ダイソンケースもクローゼットに他のコートと並んで掛けてあっても違和感がない。普通は考えの及ばないものでも対象として見つめ、より良いものを開発しようと試みるデザイナーの姿勢は、遊び心に溢れている。
Text,Photo / 荘あかり
