自分自身の個性の未來
3月21日、ラフォーレミュージアム原宿にてJENNY FAX2018秋冬コレクションが発表された。
ブランドコンセプトは、“普通の女の子のための洋服”。
自分自身の殻を破り、人とは違う個性を前面に出すことには大変な勇気が必要だろう。ジェニーファックスは、その勇気を後押しできるような洋服を提案しているブランドである。
今回のコレクションのテーマは“家族”だ。ショーでは、デザイナーのシュエ・ジェンファン氏の”お母さん”のOL時代からのストーリーが表現された。
会場が、昭和の日本を代表するロックバンドBOOWYが1980年代にリリースした『わがままジュリエット』のBGMに包まれるなか、OL時代の 母親を連想させる、色彩豊かな服に身を包んだルックが登場。
そしてこのランウェイを更に鮮やかに仕立て上げた4枚の絵はシュエ・ジェンファン氏の妹が描いたもの。そこにもテーマの”家族”その暖かみを感じさせられる。
モデルが着用している色とりどりのブラウスやタイツ、スカートの随所の細かい箇所に、”お母さん”というキーワードに基づいた様々なデザインの個性が見られた。
その中でも、母親の体型を模した表面に袋のような膨らみのあるデザインのスカートは、家族を持った母親としての姿が連想できる。
コレクションの初めから終わりにかけて、一人の女性の個性が徐々に変化していくのが表現されていたように感じた。お菓子の缶や手の形をしたアクセサリーなど母親のその時々のビジョンを連想されるようなデザインやユーモアの効いた小物たち。
まさにこのブランドのコンセプトとなる、自分自身の殻を破って個性を新しく手に入れる、そんな勇気をもらえるよう。
今の時代に欠けているとも言える”個性”。ジェニーファックスは、それを世の中に排出するきっかけをもたらしてくれるのではないだろうか。
Text.Photo/杉本 和花奈