Fashion, Collection, Tokyo 2018-19 A/W

DRESSEDUNDRESSED 2018A/W

3月20日 渋谷ヒカリエにてDRESSEDUNDRESSEDの2018 A/Wのショーが行われた。
当日の天候は雨であったので焦りながら入場した。開演前の会場ではエルトン・ジョンのYour Songが流れており汗と雨で濡れた身体に懐かしいメロディが浸透し、落ち着かせてくれた。

場内が暗転すると木槌を叩くような音が鳴りショーが始まった。会場にいる全員の鼓動もシンクロするように静まりピリッとした空気が流れる。

今回のテーマは「I’m sexy」で “hiding” “showing” “alone” の3つの要素から構成され、フェティシズムを強みとするDRESSEDUNDRESEDらしさ溢れるものであった。

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ファーストルックは女性が自分の身体よりひと回り大きい白いシャツを1枚だけ着て出てきた。その姿はセクシーというよりどこか寂しげであった。2人組の男性が同じ青のストライプ柄シャツを纏って登場した。見つめ合うように向かい合い背を向けたが、注目すべきは、片方にだけ背面にボタンを付けてはいるもの外れて肌が大きく露わになっていた点だ。その他のルックでもスリットやシースルー素材を使い素肌を見せ今回の3要素を示した。

DRESSEDUNDRESSEDはDressed「服を着る」Undressed 「服を脱ぐ」ということを意味する。私はその前後にある素肌が見え隠れする瞬間を連想し、そこが今回のショーに落とし込まれたのではないかと思う。
本当にセクシーなひとは「私はセクシーだ」なんて言わないとデザイナーの北澤氏は言った。「セクシーになりたいでも自信がない」特に強くそう思うひとはセクシーというものが歪みフェティシズムへと成るのだ。

物や生き物、あるいは人体の一部に性的な魅力を感じるフェティシズムは性の逸脱性として用いられ、なかなか受け入れられにくく世間を騒がせることもあるが、芸術などの自己表現へと昇華することで社会的価値を得られるのではないだろうか。それによって度を超えてしまったフェティシズムによる異常犯罪が減るかもしれない。私はそう思った。

text/中村宜嗣
photo/佐藤楓