Etw.Vonneguet 2015 S/S Collection “白昼夢”
デザイナーOlga氏によるブランドEtw.Vonneguet(エトヴァス・ボネゲ)が2015年春夏コレクション「白昼夢」を発表した。
得意とするミニマル且つアバンギャルドなデザインは、今回のコレクションでも健在だ。動的なカッティングによって形作られたシルエットは、男性的・女性的のどちらにも振れ過ぎることなく、ニュートラルな性的イメージに仕上がっている。
デジタルプリントを施されたアイテム群はもはや定番と言っていいだろう。今回の柄は薔薇の花やガスといったモチーフを落とし込んだものとなっている。
ディテールにも力が入っており、今回はオリジナルの六角形のロゴ入りボタンを作成。coromozaのレーザープリンタで作られたものだ。
今年でブランド設立より5年となる本ブランドだが、コレクションの発表に伴い、新たにスタイリスト専用のオンラインリリース予約管理サイト「Etw.Vonneguet PRESS ROOM」、バイヤー専用のB to Bサイト「Etw.Vonneguet BUSINESS」をオープンした。
ファッションコーディネートサイト「WEAR」にもコレクションのルックブックを公開しており(http://wear.jp/etwvonneguet/)、一ブランドでありながらこのようにWEBを用いた様々なアプローチを積極的に展開する姿勢はなかなか特徴的であろう。
また、今回は気鋭の邦ロックバンドTHE NOVEMBERSとコラボレーションしたアクセサリーも展開。
10月28日に渋谷PARCOでのポップアップショップのオープンに伴い行われたレセプションでは、THE NOVEMBERSギター・ボーカルの小林祐介氏のソロプロジェクト「Pale im Pelz」(ペイルインペルツ)によるスペシャルライブも開催された。
小林祐介氏は、今回のコレクション「白昼夢」の制作にあたり、ある種キーとなるイメージを担った存在でもある。
以下はコレクションに合わせて作られたPale im PelzとのコラボMVだ。
場面は地下鉄のホーム。ホームの”こちら側”から電車に乗った白い衣装を纏った人物は、次の瞬間ホームの”あちら側”にいる。そこで”こちら側”と”あちら側”で異なる時間の流れが映し出される。”あちら側”では時間の流れが逆行する。白い衣装の人物は、二つの時間を行き来し、ただ一人悠然としている。夢のような揺らぎのある音楽が、現実と非現実の境界を曖昧にしている。
線路を挟んだ向こう側にある、日常と隣り合わせの別の世界。「自分が今”どちら側”にいるのか。」不思議な感覚を想起させるこの映像が、「白昼夢」のイメージを顕現させる。
「考えてみれば、今までの五年間が、昼間見る夢のようだった。」Olga氏は自身のブログでそう語る。
様々な最新技術や実験的手法を積極的に取り入れ、多種多様な個性が入り乱れる日本のファッションブランドの中でも異彩を放つEtw.Vonneguet。5年の節目を迎えた今後、ファッションデザインを通じて、現実と仮構、ファッションとテクノロジーのどのような綜合を見せてくれるのであろうか。
Etw.Vonneguet PRESS ROOM
http://press.etw-vngt.com/
Etw.Vonneguet BUSINESS
http://business.etw-vngt.com/
OLGA’S ONE BOTTLE(Olga氏と小林祐介氏による、今回のコレクションにまつわる対談を掲載。)
http://www.etw-vngt.com/2012/1BTL.html