rewords/rewordsdesign 2015 S/S Collection
2014年1月、デザイナー渡部陽介氏の手掛ける rewords/rewordsdesignが設立された。
コレクションブランドで8年半、企画と開発を担当してきた渡部氏が独立を思い立ったきっかけは東日本大震災と2013年4月に起きたバングラデシュの縫製工場での事故だ。良いものを作りたいという感情と利益の追求の狭間での決断だった。
ブランド名のrewordsは意味(言葉)を変えるという造語だ。「革新的であること、本物であること」をコンセプトとし、今までにないものでありながら必然的になり得るモノ、継続性があり、後世に残る一瞬で終わらないモノを作ることを目標とするブランドである。
各生産地の工場と協力し、糸や綿を生産する段階から渡部氏本人が携わることで全く新しい素材を生み出し、それらを用いて洋服を作成している。
渡部氏にとってデザインをすることは糸を撚ることから始まり、絵を描くことではない。全く新しい素材を用いるからこそパターンやカッティングも今までにないものになる。「新しい素材を着ることで、普段の洋服との違いを感じて欲しい」と語った。
今シーズンはベースとなるものを意識し、自身のデザインを普遍性のあるシンプルなモノに落とし込んだコレクション。特に色使いにこだわりを持ち、本来素材が持っている色を脱色し、言葉では形容出来ない中間色を生み出した。
最後に渡部氏は「素材にこだわり、ここにしかないオリジナル性のある洋服を一から作成し、既存のモノづくりに一石を投じたい」と締めくくった。
text/Juri Tada