Fashion, Collection, Tokyo 2020 S/S

NON TOKYO 20S/S Collection

 

悪者が来たら、フリフリキラキラのコスチュームに変身して

 

魔法の必殺技を使って退治しよう

 

幼い頃はそんなことを夢見ていたはず。

 

 

10月15日、渋谷ヒカリエにてデザイナー市毛綾乃氏によるNON TOKYOの2020年春夏コレクションが発表された。東京コレクション初参加となる今回のショーのテーマは、SOLDIER OF LOVE。幼少期に多くの女の子が憧れるセーラームーンやプリキュアなどに代表される愛の戦士がインスピレーションになっている。

 

 

小さい子は、ヒーローから正義を学ぶ。最近のプリキュアシリーズでは、いろいろな人種や男の子のプリキュアを登場させたり、社会問題に焦点を当てたりとシーズンを重ねるごとに変わってきているという。今回のコレクションにはそういった要素も取り入れられ、多様な人種のモデルがキャスティングされたり、多くの洋服にはリサイクル素材が使用された。

 

 

 

リバーシブルや2wayアイテムを多く展開。やはり、ヒーローに変身は欠かせない。

 

 

 

 

フワフワ、キラキラを実現しながらもチュールの下から覗くサイクリングパンツがただの可愛い女の子ではないことを予感させる。ヒーローたちのヘアメイクはセーラームーンをヒントにそれぞれ作り出された。

 

 

 

ミリタリーウェアのディティールや迷彩柄で戦士を表現。

 

 

 

とびっきりに可愛い格好で登場した瞬間、強いスポットライトを浴びて、一通り味わったらサーチライトの中を勢いよく突き進んでいく。会場にいる何人が、「ああ、あの子になりたい!」と思っただろうか。愛の戦士たちは、今でも私たちのロールモデルであるということに気付かされた。自分が強いと信じていても、ときに立ち向かう勇気が出ないときもある。そんなとき、幼い頃憧れていた戦士のように変身すれば、また一歩踏み出せるのではないだろうか。

 

text/越智 柚月

photo/荘 あかり