Fashion, Collection, Tokyo 2020 S/S

Chika Kisada,REKISAMI 20S/S Exhibition

儚さと強さの融合

9月3日から9月5日、BASE STUDIO HIGASHIYAMAにてChika Kisada、REKISAMIの2020年春夏コレクションの展示会が行われた。
デザイナー幾左田千佳によって設立された2ブランド。
DSC_1051
【REKISAMI】
2007年スタート。
コンセプトは「くずしの美意識」。日常で感じるふとした違和感をインスピレーションにして、日常に存在する既存のスタイルを再構築したライン。
ベーシックを意識しつつも、素材の繊細な質感、細やかなディテールへこだわり、リメイク、アシンメトリー、サイズ感の操作など独自のテクニックと手仕事で新しいスタイルを追及。
人と違う事を恐れない、強い個性を持つ人たちのための服。

コレクションテーマは”Imogen Cunningham”
内側に宿る生命力や、美しさの中に垣間見る儚さ。そして素肌と質感のコントラストを大切に制作された。

【Chika Kisada】
2014年スタート。

幾左田の価値観をより強く反映したシグネチャーラインとして立ち上げられた同ブランド。
バレエのエレガンス、パンクの生命力。
その儚さと強さ、相反するイメージの融合から生まれる「強いエレガンス」がコンセプト。
仕草や動きにともなって漂う人間の美しさの移ろいと存在感を追求。
都市で生き、動き続ける、新しい上質さを求める女性たちのための服。

コレクションテーマは”MONET”
印象派の画家であるクロード・モネから着想。

—————————————————————-
いつもどうりの同じ瞬間でいても
毎日少しずつ変わっていて、
揺れる鮮やかな色彩は
鳥が歌うように柔らかな色合いと
光の変化が混じり合って目の前で煙った。

いつもの今日は
藤色と桃色に染められた
水面の静寂の世界。
—————————————————————-

自由奔放で柔軟かつ大胆、柔らかな色合いの絵の具を幾度も塗り重ねた様な色彩とコントラストなどモネの作品で見受けられる軽やかさ、明るさ、儚く淡い独特のユーモアが表現された。
淡いピンクやブルー、パープル、グリーンのグラデーションがモネの描く水面や空といった情景を彷彿とさせる。
DSC_1113
DSC_1068

オーガンジー素材が贅沢にたっぷりと扱われたアイテムが多く、その透け感や空気を含んだシルエットがパステルカラーと相まって柔らかさ・儚さ・繊細さがひしひしと伝わった。

DSC_1078
DSC_1064

そしてイタリア・ミラノにて発表された2019-20秋冬コレクションに引き続き、ブランドが得意とするバレエの要素が強く打ち出されたアイテムも多く並んだ。
中でもクリノリンやパンクバレエからくるハードなコルセット等が印象的。
元バレエダンサーの幾左田だから作れる強いエレガンスの世界に魅了された。

DSC_1034

Text/櫻田美羽
Photo/ 荘あかり