折り重なる和と洋、京からの香り
RAINMAKER(レインメーカー)の 2019-2020秋冬コレクションが3月23日に行われた。
今シーズン初参加のブランドは多くあったが、同ブランドもまた東京ファッションアワードを受賞して初のランウェイコレクションであり、デザイナーの渡部氏は「緊張する事も多かったが無事に終えることができ安心している。」と語った。
会場では席に京都の香り袋が置かれており、東京の喧騒を忘れさせるようなゆったりと心を落ち着かせる空気感が溢れていた。
コレクションでは和と洋が表層的、構造的に折り重なる様に注目がいった。
ファーストルックのコートは前身頃から袖、後ろ身頃まで一枚のパターンで作られ平面的なところから立体に起こす「構造的な和」にこだわりを見せた。
2013から立ち上がったRAINMAKERは日本の文化を色濃く残す京都を拠点とし、工芸品とのコラボレーションをしている。代表的には西陣織である。平安時代から現代まで延々と紡がれて来たその技術やデザインが服に込められていた。
渡部氏はデザイナーであるが、実際に店舗で接客もしており、ユーザー層は学生から30代、40代をメインとし70代までと幅広いという。その為、モデルのセレクトには年齢や国籍、人種などのキャラクターに富んだルックが見られた。
今後海外でも展示会を開く予定もあり、継続的にAmazon Fashion Weekに参加する予定は考えていないらしい。今回のショーはRAINMAKERの世界観を伝える集大成としてのものであり、過去のシーズンの秀作も含めてショーをしその香りを濃く残した。
text/中村宜嗣
photo/荘あかり