Fashion, Collection, Tokyo 2019 S/S

Alejandra Rendon Felix ×Milano Moda Graduate



ミラノ モーダ グラデュエイト (Milano Moda Graduate)のプロジエクト アレハンドラ レンドン フェリクス トーキョー(Alejandra Rendon Felix from Milano to Tokyo)がプレゼンテーションと展示を開催した。

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このミラノ モーダ グラデュエイト(Milano Moda Graduate)はイタリアの優秀なファッションスクールに捧げるイベントで、新しい才能の育成をミッションとし、次世代のファッション業界への貢献と才能を目に見える形で伝えるためのものである。主催するCamera Nazionale della Moda Italianaは新しい才能を紹介する環境を作り、様々な機会を与え、業界のエキスパートから学び相談できるプラットフォームを提供し続けている。今後は日本はもちろんインターナショナルにファッションスクールから学生を招集して、プロジェクトの全工程で若い才能をサポートし、ミラノ モーダ グラデュエイト(Milano Moda Graduate)を再始動していく予定だ。

今年のプロジェクトでは様々なセクションからエントリーした学生の中から、ファイナリスト8人がカプセルコレクションを制作した。その中からCNMI賞、Vogue Talents賞、YKK賞の3つの賞が与えられ、メキシコ人デザイナーAlejandra Rendon Felix ( アレハンドラ レンドン フェリクス)がYKK賞を受賞。Milano Moda Graduate のパートナーであるYKKとのコラボレーションにより、日本での発表の機会をえた。

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デザイナーのアレハンドラ レンドン フェリクス(Alejandra rendon felix)氏は、メキシコ北東部のクリアカン出身。コレクションは彼女の母国であるメキシコ国内の革命運動によって常に激動するメキシコの文化や、国の安全を脅かす組織的な犯罪に影響を受けている。特に1910〜1920年にメキシコで起こったメキシコ革命からのインスピレーションだ。メキシコ革命に参加した人々の想いと、現在も続くサパティスタ民族解放軍による農村への市民権を求める活動から発想を得ているため、農村の伝統衣装と戦闘服の要素がミックスされたコレクションとなっている。

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他にもファッションアイコンとしても有名なラ・カトリーナ(La Catrina)なども取り入れている。ラ・カトリーナは頭に花をまとったカラフルな骸骨として古くから知られているが、実はメキシコ革命当時の貴族と先住民の格差を表現していて、政治社会学的な存在として皮肉を込めて描かれたものだ。貧しく苦しい日々を送る姿とは裏腹に、フランス人に憧れ、フランス人の格好を真似するメキシコ人女性がいた。それを表すように、色使いにはメキシコ人の明るい性格や、活気のあるライフスタイルを反映していた。


text / 小松未奈