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Mame Kurogouchi 18A/W

Collection, Fashion, Tokyo 2018-19 A/W

5 4月. 2018



日常に美を見出す


3月19日、品川に新たに構えられたAmazon Fashion Studioにて、Mame Kurogouchi初のランウェイショーが行われた。

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Mame Kurogouchi(以下:マメ)は、既に日本で知名度のあるファッションブランドの、パリでのコレクション発表をサポートする ”FASHION PRIZE OF TOKYO” に選出され、パリでのインスタレーションを終えたばかりだ。

そんな世界に羽ばたきつつあるマメ初のランウェイショーとあらば取材しに行かないわけにはいかないだろう。小雨が降る中、品川の海沿い、新設されたばかりのアマゾンファッションスタジオへと赴いた。


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アロマの香り漂う広い会場には著名人や多くの関係者が訪れ、今か今かとショーの始まりを待つ。上から吊り下げられたいくつもの白熱灯が点灯し、まるでマメがコンセプトに掲げる”現代社会における戦闘服”を表現しているような前衛的な音楽がショーの始まりを告げる。

四方を取り囲む無機質なコンクリートの壁が、モデルたちが纏うマメの洋服をより一層際立たせる。どのルックをとっても、マメらしい繊細で美しい洋服ばかりだ。私はライター兼カメラマンの役割も担っていたのだが、拡大したレンズ越しに見えるマメの洋服たちのあまりにも丁寧な仕事ぶりに、ため息がとまらなかったほどだ。


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そんな今季のインスピレーション源となったのは、建築家兼デザイナーのシャルロット・ペリアンが1941年、高島屋を会場に開いた『選択・伝統・創造』展の図録である。戦前という私たち世代とっては非常に遠くのことに思えるような時代にも関わらず、ペリアンが生み出したものの数々は現代にも通用するほどモダンであることが見てとれる。ペリアンは日本人デザイナー柳宗理らと東北などの民芸に触れ、多くを吸収した。それに倣うようにしてデザイナー黒河内氏は自身の身の回りにあるものを見つめ直し今回のコレクションに落とし込んだという。

例えば、事務所周辺に落ちていた落ち葉の茶色、毎日使っている領収書のミントグリーン、いつも歩く石段はベロアのジャカード生地に。

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さらに、ドレスやニットに施された草花は庭や行きつけの喫茶店でスケッチしたものだ。

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デザイナー黒河内氏はペリアンのように地方を渡り歩きながら、日本古来の技法やものに美を見出してきた。ここでいう”もの”とは、民芸品、つまりその土地の伝統が色濃く反映された日用品のことを指す。彼女に見出された技術や日本古来の民芸品はさらに輝きを増し、さらには女性をより魅力的に見せる洋服たちへと変貌を遂げる。しかし残念なことに、先進的な技術で作られたものに囲まれ、利便性の高いものたちで飽和状態である昨今の日本では、そのような民芸品の圧倒的な需要低下は避けられない。後継者不足も深刻な問題として挙げられ、古来からの伝統をそのままのかたちで引き継いでいくことは難しくなってきているのが現状だ。伝統を良いかたちで後世へと受け継いでいくには、その伝統の特徴や良い部分を残しつつ現代のものたちに負けるとも劣らないデザイン性、機能性が付与されている必要があるだろう。そう、マメの洋服たちのように。黒河内氏には、現代人の目にあまり晒されることのなかった美しく優しさと強さを兼ね備えた(まさに女性のような)技術や民芸品達を、是非とも少しでも多く拾い上げて、多くの人々の目に触れさせ、肌に寄り添わせ、美しき伝統の息の根を微かにでも引き継いでいって欲しい。
今、この記事を祖父母の家で書き連ねている。台所に立つ祖母の後ろ姿、煮物の鍋から立ち上る湯気、古い換気扇の音、窓から射す夕日の光…普段なら当たり前に見過ごしている風景がなんだかとてもきらきらした温かみ溢れるものに見えきてしまった。黒河内氏も今日もまた、ありふれた日常や昔の日常を愛おしい目で見つめているのだろう。

 

Text, Photo / 田近 咲菜

 

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