Fashion, Interview, Shop Review

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《モード × ストリート》を軸に提案する自由な古着の楽しみ方

 

古着の街、下北沢に店舗を構えるiroha。白いレンガの壁に囲われた店内には、丁寧に古着が並べられ、独特の雰囲気を持つ魅力的な空間が生み出されている。その魅力を探るべく、オーナーの上澤 健太さんにお話を聞いた。

 

―irohaのコンセプトをお聞かせ下さい。

《モード×ストリート》を古着で表現するということを軸にしつつ、ジャンルをミックスして、より自由にファッションを楽しめる提案をしていきたいというのがコンセプトです。

 

―出店場所として下北沢を選んだ理由をお聞かせください。

単純に場所、立地が気に入ったというのも1つなんですが、下北沢ってゴリゴリのアメカジ古着の街というイメージがあると思うんです。その下北沢のイメージを変えたいという事と、下北沢によく来る人達にもっと新鮮な提案をしていきたいという思いもあって、ここを選びました。



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―irohaにはどのような年代のお客様がよくいらっしゃいますか。

メインは20代の方ですが、上の年代ですと50代の方も来られたりと、幅広くお越し頂いてます。年配の方は基本的に土日にいらっしゃいますね。

 

―50代の方もご来店されるのには驚きでした。年配の方はどういった経緯でご来店されるのですか。

散歩がてら来店される方が多いですね。その方達が、丁度年頃だった80sの商品に懐かしみを感じて買ってくださる事が多いです。

 
 
―内装や什器等、セレクトショップさながらのこだわりの作りであると思います。店内の雰囲気作りや接客に関して工夫されている点をお聞かせ下さい。

店内はゆっくり見て頂きたいので、基本的に邪魔はせず、一言声をかける程度にしています。うちはヴィンテージ古着よりもレギュラー古着が多く、状態の良いものを基本的に扱っているので、古着の雰囲気に合わせて内装も清潔感の感じられるものにしています。



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―irohaのセレクトは、既存の古着屋とは一線を画す、上澤さん独自のセンスを感じます。買い付けの際のこだわりをお聞かせください。

コンセプトであるモード×ストリートに当てはまらない物は、たとえ流行っていても置きません。また、ヴィンテージ古着であっても、ストリートスタイルやモードスタイルに合うものを買い付けています。

 

―『モード×ストリート』というirohaのコンセプトを軸に買い付けをされているという事ですが、そもそもそれはご自身のバックグラウンドが影響しているものですか。

僕が中学生の頃、当時流行っていた90sのストリートスタイルが主流だったので、古着ではないものの、ストリートスタイルのセンスはその時に身に着けました。
また、モードの要素は僕が高校生、大学生の頃、服の趣味が変わってモードの流行を意識したスタイルをするようになった点が影響しているのだと思います。

 

―店内の商品を見ると、カラーバリエーションが豊富であるように見受けられます。その点も当時のストリートスタイルもしくはモードスタイルから影響を受けたのですか。

その点に関しては感覚的な部分が多いです。

 

―そういった感覚はどのようにして身につけられたのですか。

昔から、身の回りのあらゆるものの配色に注目するようにしていました。例えば、外を歩いている時。壁と木が並んだ際の配色が綺麗だなと感じるとします。そういった日常から感じる色のイメージをセレクトに反映させています。
店内の商品陳列も工夫して、配色や組み合わせが良いものを前後に並べることで、お客さんが合わせ方をイメージしながらショッピングを楽しめるようにしています。



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―上澤さんは別のショップから独立されてirohaを出店されたと伺っています。以前働かれていたショップのオーナー、もしくはオーナー同士の繋がりから受けた影響はございますか。

ありますね。買付けから店舗の運営まで全般的に影響を受けています。運営する上での考え方についても影響を受けています。ショップを運営していく中で、間違っていると思った点は削ぎ落として、良いと思った点は残すといった形をとっています。

 

―これまでショップを運営されていく中で、間違っていると思った点は具体的にどのような点でしたか。

それを特に感じたのは流行っているものを無理矢理店に置いたときですね。合わないものは合わないと改めて認識しました。どうしてもしっくりこない、と言いますか。

 

―独立しようと思ったきっかけをお聞かせください。

以前4,5年働いていた職場は様々なショップを展開していましたが、働いていく中で自分がオーナーだったら違った方法でやるのに、といった具合ですれ違いが生じ始め、自分のやりたい様にショップ運営をしたいと思うようになりました。以前の職場の店舗運営の方法はとても参考になりましたが、ファッションのジャンルごとに区切られたセレクトをするショップの在り方に違和感を覚えるようになったこともきっかけの1つでした。このジャンルの服ともう1つのジャンルの服を組み合わせたら面白いのに、というようにもっと自由な組み合わせの提案がしたかったんです。



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―irohaが考える古着の魅力をお聞かせください。

1点物で同じものがないところですかね。また、ブランド商品だと、それぞれのブランド同士で組み合わせた時にこれは違うんじゃないか、といったように組み合わせが上手くいかないことがあるのに対して、古着だと組み合わせ、着こなしが自由に出来るという点が魅力的だと思っています。

 

―現在の商品展開はメンズのみという事ですが、デザイン的にもユニセックスに使える商品が多いと思います。レディースの商品展開を考えていらっしゃるかも含め、今後の展望を聞かせてください。

いつになるかは分かりませんが、以前からレディースを扱うことは考えています。そして、もしレディースを扱うことになっても、今まで通りコンセプトやこだわりは崩す事無く展開していくつもりです。また今後の展望としては都内だけではなく、石川県の金沢に出店したいと考えています。

 

―金沢に出店されたい理由をお聞かせください。

単純に街が好きなんです。中心部は都会ですが、少し外れると京都のような趣のある街並みがとても素敵で惹かれています。セレクトショップが多く、決して古着が流行っている訳ではないのですが(笑) でも街が好き、という点は個人的にはとても大切な事だと思っています。
日々楽しみながらショップ運営が出来ますし、街だけでなくショップに来てくださるお客さんとの付き合いも大切に出来る、ということに繋がっていくと思うので。



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irohaの持つ世界観は独特なものでありながら、多様な価値観に訴えかける不思議な魅力がある。
ブレのないセレクトセンスに加え、古着を通してジャンルレスにファッションを楽しんでほしいという提案が、ワードロープに新たなエッセンスを加えてくれる。
irohaに引きつけられる魅力の裏付けが、このインタビューを通じて見いだすことが出来た。

 


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