Fashion, Collection, Tokyo 2018-19 A/W

5-knot 2018A/W

そこは高さ5mの囲まれた壁からのぞくことのできる谷間の真珠。

光が当たったときによる反射で多彩な光を放つところから由来しているのだろうか、来る者を色彩豊かな中世の記憶に連れていく…

ポルトガルの古都オビドスは首都リスボンからバスで1時間ほどに位置する。田園風景を抜け城壁をくぐると白い壁とオレンジの屋根、ところどころ青や黄色でペイントされた人口約800人の小さな街が現れ、北大西洋の潮風が優しく髪を撫でる。

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そんなオビドスを感じさせるように東京湾沿岸の小さな会場で5-knot 2018 A/Wが行われた。多くのルックで使用されたオレンジであるがその色合いはオビドスの一軒一軒の屋根と同じように少々異なり個性がある。
また、タイルや植物の柄はポルトガルの重要な文化の要素であるアズレージョと15世紀後半から16世紀に流行した大航海時代の自然観を備える建築様式のマヌエルから着想を得ている。

それら中世の面影も重厚感のあるコート、PVCコーティングのされた艶やかなアイテムが絶妙に交わり中世ヨーロッパだけに非常にスパイシーであった。

毎シーズン旅したところからインスピレーションを受け製作を開始する5-knotが非常に充実した時間を送っているように私は感じる。私の今までの海外経験はロンドンに一回だけだが大英博物館やオックスフォード大学の建物、市場で買い食べ歩きしたバゲットなど1つ1つが印象深い。学生である今、再び海外へ行き再び刺激を受けたいと思った。

text/中村宜嗣
photo/福島あかり