RYOTAMURAKAMI 18S/S Collection

RYOTAMURAKAMI 2018年春夏コレクションが、10月16日、渋谷ヒカリエにて発表された。
昨シーズンのコレクションまでは、村上亮太とその母親、村上千秋と二人でデ ザイナーをやっていたが、ブランドとしての成長をはかり新たなクリエイショ ンをスタートさせるため、今シーズンを皮切りに村上亮太一人での活動をして いくという。

今季のテーマは「1920年代 フラッパーガール」。
20年代の女性像はというと、コルセットが外れたことで好きな洋服が着られるようになったり、お酒を飲んだりタバコを吸ったりと、各々がおめかしをしてパーティーへと出かける。そんな女性たちの開放感と社会進出が今回のコンセプトになっているのだという。 デザイナー曰く、今まで自身のクリエイションは内向的であったため、今回は外へ向けて創っていくというイメージがあり、それとコンセプトにある“社会へ出ていく女性像”がリンクしているのだとか。
また、70・80年代のイヴ・サンローランのサファリルックやモンドリアンルックのような、ファッションの“ノスタルジー”を混ぜ込んでコレクションを製作したそうだ。

会場のゲストはオールスタンディング。今にも踊り出しそうなアップテンポな音楽が 流れ、会場一体はまるでダンスクラブであるかのような雰囲気が作り上げられていた。

サファリルック風のセットアップは、春夏向きのリネンやオーガンジーで作られていた。
S-1
S-37
メタリックのアイテムと組み合わせた異素材のスタイリングも斬新で目立ち、光沢感からはパーティーガールのきらびやかなイメージを連想させられた。S-53

今回は、イヴ・サンローランのアートを服に取り入れるという発想からインスピレーションを受け、母・千秋の描いた「お天気柄」と呼ぶイラストがドレスに落とし込まれていた。S-78
母とは何かやりたいという思いがあったそうで、この一着からその思いを感じることができた。いわゆる“おかんアート”だと自身は語っている。

村上氏のように親子で共に創りあげる作品というのは、そこに込めた思いや製作時間までもがすべて特別でかけがえのないものであると思う。
ファッションの話とはかけ離れてしまうが、私自身、上京し親元を離れているので、つい親との関係は疎遠になりがちである。コミュニケーションの手段も電子機器を介したものだとなかなか距離を感じてしまうもの。自分が思う大切な人や共に過ごす時間とは何ものにも代えがたい存在であり、その時の感情や情景はずっと忘れずに心にとどめていたいと思うものだ。それが誰へ向けたものであっても、様々な形であったとしても。
今回のコレクションでは、親子間の愛や、母を思うデザイナーのまなざしが表現されていたのが垣間見えた。そんな素晴らしいコレクションを生み出して いるのも、このブランドの魅力なのではないだろうか。

Text/中島 福美子