Fashion, Collection, Tokyo 2018 S/S

VIVIANO SUE 18S/S Collection



VIVIANO SUEが映し出す自然のサイクル

2017年10月19日に渋谷ヒカリエにてVIVIANO SUE(ヴィヴィアンノスー)の2018SSが発表された。

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すべてのコレクションのインスピレーションは「自然」そんなVIVIANO SUEは今回、誕生から死まで、始まりから終わりまで、植物の発芽から枯れるまで……つまり、自然の一生。終わりなき自然のサイクルが映し出した。

たとえば、柔らかで軽やかな優しいピンクで包まれたこちらのルックでは花が明るく咲いている様子を表しているという。ヒラヒラと靡く裾や長い袖、長く伸びたベルトからは活き活きと咲く花の美しさが読み取れる。

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ステージが一度暗転し、そこに現れたのは頭につけた強く赤いコキアと相対して透き通るような柔らかな金髪、そして優しくも強いオールブラックの毒々しい目を惹くルック。「死」を表したもの。植物の死、つまり枯れるということは終わりでは無く次へ続く過程の一部なのだ。

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そして、ラストルック。
思わず息を止め、その動くたびに贅沢に揺れるレースやスカートのたるみに見惚れてしまうこちらのオールホワイトの2体は「生」を表したもの。生まれるという美しさが繊細に表現されている。

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こうして、終わりなき自然のサイクルは再び始まりを迎え、また新しい表情を魅せるのだろう。


「自然」と「ファッション」―――――― 考えてみると、昔からその2つは寄り添っていたのかもしれない。シロツメクサの花冠を作って遊んだ幼少期、藍を発酵させた藍染が多く行われた江戸時代…。海を渡りエチオピアのムルシ族は今もなお様々な植物を直接肌にまといファッションとして楽しんでいる。
また、ファッションにも植物と同じようにサイクルがあるのではないか。先程の藍染も江戸時代に広く使われた手法だったが、その後化学合成して作られたインディゴ染料が発明され工業向きではない藍染は衰退した。しかし、藍染の色が褪せにくいという特徴や、なんとも言えない優しい色合い、また染めるのにかかる手間が逆に愛おしいと感じる現代の若者は、私を含め多くいて、近年また見直されている様に思う。藍染の様に、ファッションに関連する手法やデザイン、流行などは自然と同じ様にファッションのサイクルがあると私は感じる。
つまり、「自然」と「ファッション」は、切っても切れない関係にあるのだ。


自然という軸を中心にさまざまな美しさを魅せるVIVIANO SUEに、来季のコレクションではどんな世界へ案内してくれるのか期待が高まる。


Text / misaki yamagishi (@yamagishimisaki)
Photo / Sho Makishima (@sho_makishima)
Photo Edit / 田近 咲菜(@is__sleeping)


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