ファッションと旅はすぐ近くにある。
TOKUKO 1er Vol (トクコ・プルミエヴォル)は2017年3月23日渋谷ヒカリエAホールにて2017-18秋冬コレクションを行った。
毎シーズンデザイナーの前田徳子氏自身が旅をして、そこから生まれる世界でショーを作り上げるが、今回のテーマはチェコとポーランドであった。序盤から伝統的なFOLKスタイルに身を包んだモデルたちが手を繋ぎ、音楽に合わせてランウェイをスキップする。その姿に観客たちはまるで現地でダンスを見ているかのような世界に引き込まれた。
何と言っても今回のショーでは花柄を語らずにはいられない。この花柄はポーランドのザリピエという村で生まれ、赤・黄・青などのカラフルな色使いが特徴である。この可愛らしく美しいザリピエ村の花柄をショーの中で上手く表現した。しかし、前田氏はこの花柄をただあしらうのではなく生地自体を黒にすることで、可愛さと共にシックで落ち着いた雰囲気としてまとめていたように感じる。
服を買うために旅行をする。それは人々が旅をする理由の一つになるだろう。しかし彼女は服を見ることでまるでそこへ旅をしているかのような世界を作り出したのである。ブランド名トクコ・プルミエヴォルはフランス語で「トクコからの第一便」の意味を持つ。まさに彼女が旅した様々な情景がショーで再現され、それを見た観客たちを引きつけて離さない。
Text/ 坂本 遥
Photo/TOKUKO 1er Vol official