2013-2014 A/W 東京コレクション
NOZOMI ISHIGURO Haute Couture 2013-2014 A/W
「ろくでなし ひとでなし ふくでなし」
今季のテーマは「ろくでなし ひとでなし ふくでなし」。
可愛いらしい要素の中に、拘束的であり攻撃的でもある要素を注ぎ込んだアニマルウェアが展開された。動物の着ぐるみを解体し、再構築させたドレスは、アームが服の中で束縛され自由に身動きが取れない。スカートに描かれた落書きは、ピカソの「ゲルニカ」を彷彿させるようなどこか不気味な雰囲気を感じさせる。
また、よく見ると今回多くのブランドで目にしたグリッチ刺繍のものも混ざっている。タータンチェックのシャツは、シルエットが動物の顔に見えるというユニークなパターンになっていた。
社会に対し、常に疑問を投げかけ、着る者に様々なことを感じさせる石黒氏の服。相異なる要素を組み合わせたのは、きっと世の中に何かを訴えかけようとしているからであろう。アート色が強く、独特な世界観で魅せた今回のコレクション、ノゾミイシグロの新しい試みが見られた。
Photographer / mei
Text / Kozo