Fashion, Collection, Tokyo 2017-18 A/W

Name. 2017-18 a/w collection

海外での成功を求める日本メゾン

2017年3月21日、東京タワー隣のスタジオアースにて、Name. (ネーム)2017-18年秋冬コレクションが発表された。今回のテーマは-A Delirious Odyssey-妄想放浪である。デザイナー清水則之は日々の多忙さの中で、友人の旅先での写真や人との出会いから刺激を受け、自らも妄想旅行に出た。
妄想旅行の旅先はスリランカやモロッコがメインで多国籍。また80sのイギリスなど、時代をも乗り越えての旅行になっている。実際に行った過去の写真からもイメージを広げ、妄想旅行の記録を今季のName.のコレクションに落とし込んだ。

服に施されていたプリントは、清水氏の友人であるアートディレクター峯崎ノリテルが、実際にスリランカに訪れた際のことをイメージや、コラージュにしてテキスタイルのデザインを膨らませた。


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Name.は今回も、メンズとレディースのルックが混在したショーであった。しかしながら服はユニセックスの設計ではなく、メンズの服をメンズモデル、ウィメンズの服をレディースモデルが着用した。ジェンダーレスが定番となった最近では、Name.の貫くそのスタイルは逆に珍しいかもしれない。


今後のブランド展開について清水氏は、現段階では東コレでの反応を見ながら続けている最中だという。海外進出に関しても、好奇心や夢の段階ではあるが視野には入れているようだ。


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東京で成功したブランドは海外でより大きな成功を求める。この流れは当然のこととなっているが、そういったブランドたちが日本で成功を収めたのち、着々と出ていき、東京コレクションがどんどん寂しくなっているのもまぎれもない事実だと私は感じている。東京でのコレクションがもっと世界から注目され、パリやミラノと同じ水準だと認められれば、日本で成功を成しえたブランドが外に出る必要はなくなるのかもしれない。だがしかし、もともとの国としてのカルチャーや歴史背景もあっての、現在の各国のファッション情勢につながっているのはわかっていることなので、なかなか簡単にこの問題は解決できそうにない。このまま衰退していく日本のファッション情勢を見過ごすわけにはいかないと密かに感じている我々は何をすればよいのだろうか。


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Text/濱崎真実
Photo/鈴木優人