Collection, Tokyo 2017-18 A/W

Ujoh 2017-18 a/w collection


服を「壊したい」。そこから見える新たなファッションとは?


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Ujoh(ウジョー)は2017年3月20日渋谷ヒカリエAホールにて2017-18秋冬コレクションを行った。

デザイナーの西崎氏は今回のキーワードは「壊す」であるとインタビュー中、何度も口にした。Yohji Yamamotoのパタンナーとして7年間勤務した彼はパタンナーはある意味で形を整える仕事であるが今後はそれを壊していきたいと語る。その考えの真意は今回のルックを見るとよく分かる。


クラシカルなシャツやジャケットにボトムスはあえてスポーティーなパンツスタイルで合わせたり、ジャージ素材のアウターにタータンチェックのスカートを合わせたりとどちらかに偏るのではなく新しい視点でのコントラスト、抜け感を演出していた。また「抜け感」という部分でも力が発揮されていたように感じる。秋冬コレクションと言えば季節柄重くずっしりとしたスタイルになりがちであるがその概念を捨て、レースを大胆に使用することで肌を見せたりと素材で軽さを与え、さらに独自のレイヤードスタイルで秋冬コレクションでありながら抜け感のある女性らしさを感じることができた。


今回の彼のコレクションはある種のスパイスのようである。形に収まるファッションは世の中に溶け込み、知らず知らずのうちに自分の中で居心地の良いものになってしまう。それが当たり前になった瞬間、物足りなさや不自由さに自ら気がつくのは難しいものだ。しかし、その中で何か進化や変化を遂げたいと少しでも思った時、今自分の周りにある当たり前のファッションから目線を変えて考えてみるのも良いかもしれない。今回私自身このような考えを見つけるきっかけとなった。


新たな切り口でのチャレンジを始めたUjohの物語はまだ序章に過ぎず、今後どんな進化を遂げるのか期待が高まる。


Text/坂本 遥
Photo/萩谷祐一郎


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