Fashion, Collection, Tokyo 2017 s/s

SINA SUIEN 2017 s/s installation

刺繍作家が創る、「刺繍のような」ショー。


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東京コレクション3日目となる10月19日、ポリゴン青山にてSINA SUIENの2017S/Sコレクションが発表された。
刺繍作家でもある有本ゆみこ氏が全て自身の手によって創作していることに加え、どの洋服もヴィンテージや着物などの余った布によって作られている。配布されたインビテーションにも色鮮やかな布の切れ端が入っている点もSINA SUIENらしさが色濃く演出されていた。
今回のインスタレーションのテーマは「F/S needle/string/cloth」。有本氏が新潟・西明寺を訪れた時の経験から着想したルックだそうだ。



インスタレーションが始まると、袈裟を想起させる荘厳とした布が色鮮やかに貼り合わされ、左前で布を合わせる着物のようなルックを始め、インドのサリーを想起させる細やかな刺繍に加え煌びやかな装飾のルックまで多岐に渡った。生地そのものは重厚感があり高貴なものだが、それらの生地が貼り合わされることで厳かな中に妖艶さを感じさせる。




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また、モデル達は登場する時ピンクの小ささなキューブのようなものを持ち登場してきた。これはよく見るとスピーカーで、もともと流れている寺院を想起させる音に、更にそれぞれ異なる音が重なっていき、音が満ちるとまたスピーカーが減り、元の静けさへ戻る。今回のショーの演出を行った藤本由紀夫氏は有本氏が刺繍する際の音を用いて作曲したそうだ。それにより音楽とルックもこよなく合わさっている。




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発表されたルック、演出、それぞれが丁寧に布や音を紡ぎ、まさに刺繍作家の有本氏ならではの「刺繍のような」一つのショーになっていた。



text/今井絢花


photo/萩谷祐一郎・佐藤楓