今回のテーマは“ASSIMILATE ALL INTO SHIRTS”
様々な要素をシャツと同化させ、ストリートでの気品を表現
今回のコレクションは5人のダンサーによるブレイクダンスから始まった。ブレイクダンスはデザイナーが幼い頃に習っており、ヒップホップカルチャーは多大な影響を与えたという。ヒップホップカルチャーからはサンプリングという手法により様々なジャンルを取り入れ、「初心を忘れないように」という想いからの演出だった。
ショーのモデルたちはブランドの大きな特徴であるファスナーが施されたマスクを着用していた。マスクによって性別を隠すことによって、ユニセックスモードストリートブランドとしてのファッションが表されていた。ACUOD by CHANUにおいて、ファスナーは単に実用性、装飾性のみならず、新しい時代を「開く」、異なるジャンルや価値観を「繋げる」という意味合いをもっている。また、テーマにもあるようにデザイナーが1番自信があるというシャツをブルゾンに落とし込んだり、アクセサリーをシャツに同化させたデザインは、注目を集めた。
デザイナーの国籍は韓国でありながら、幼い頃から憧れていたトーキョーファッションに近づくべく日本でファッションを学び、人脈も広げ、日本ならではの技術力やディテールの細かさなどを強みにジャパンブランドとして世界に展開していくつもりだ。洋服だけでなくカルチャーなど様々な要素や概念をファッションに「同化」し新しい価値観を創り出し続け、5年以内にパリやミラノなどへの進出を目指しているというACUOD by CHANUの勢いは止まらない。
Text/諏訪ふみ
Photo/angie