Cristian Dada 2016 s/s collection
朝焼けをイメージしたオレンジの柔らかい光と、微睡みの中にいるようなピアノの生演奏で始まったChristian Dada(クリスチャン ダダ)。今季のテーマは「バラード(BALLAD)」。レディースラインでは自分の私生活での思い出や感情を入れ込むことが多いデザイナーの森川マサノリ。2015 A/W Collectionでは昔に好きだった人の思い出をコレクションにしていたが、今回のコレクションでは”いま”を見つめ、大事にしていくという姿勢が込められていた。
ショー全体としては、クリスチャン ダダらしい黒を基調とした構成。そこに爽やかで女性らしい青味やシースルーの使用によってダダ特有の力強くも繊細な印象を与えるものとなっていた。「僕からきみに贈る花」というコンセプトにより随所に用いられていた花モチーフ。中盤での真っ赤な薔薇のカバンや終盤での黒字に映える黄金の薔薇、ひっそりと用いられていた紫陽花が首に巻かれた「NO LOVE LOST」という言葉を叙情的にしていた。
朝焼けから黄昏、星の輝く夜の空まで、ランウェイ奥に設けられた白遮に映された1日の演出は、ピアニスト、バイオリニスト、歌い手の生演奏によりランウェイをひとつにまとめ上げ、バラードを創り出していた。