今期のテーマは「penché パンシェ」。フランス語で斜めを意味し、バレエに於いて傾く体勢にも用いられる。デザイナーの榎原氏は、歌舞伎役者の経歴を経ており、今期のテーマは歌舞伎の語源ともなる「傾く」という理念にも通ずる。
コレクションには、バイアスカットや着物スリーブを取り入れることで表現されている。スウェット地にベルベットを取り入れたブルゾン、イミテーションパール付きのチュールグローブ、タイトで彫刻的なスカートは、女性らしさを強調する。ブランド名に込められた意味でもあるナイトアウトを彷彿させるラインナップは、洗練された女性の夜の装いに恰度である。シンプルでありながら、ディテイルに拘ったデザインは斜によってより身体に寄り添い、身につけて遊びたくなる気持ちを助長する。
Photo,Text / Arisa
